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短編小説

こぶとりばあさん

作者: 黒田明人

R12?

 

年を経ても若々しいお婆さんの胸には若い娘のようなたわわに実った果実があった。

しかしもうそれを喜ぶ年齢では無くなっていた彼女は、長年における肩こりに悩まされていた。

ある時、謎の一団が彼女の村を訪れ、村の特産品を買い占める。

村は喜ぶがその一団の長は、来年も全て買い取りたいと話す。

村長はそれを約束したが、証文などと言う紙切れなど何の保障にもならないと、お婆さんの果実をあっさりともぎ取ってしまったのだ。

痛みも無く取れてしまった彼女の果実だが、余りの肩の軽さに驚いてしまう。

そうして来年の期日が来るのが怖くなり、遂には引っ越してしまったのだ。


それを見ていた隣の婆さんは、ずっと比較されて生きて来て今、チャンスが巡り来たと信じていた。

そうして取引は完了となり、逃げたお婆さんの代わりに申し出た彼女には、本人の予想以上の果実が押し付けられた。

夢にまで見たふくよかな果実が自分の胸でたわんでいる。

喜びに満ち溢れた彼女は、謎の一団の長に深くお辞儀をする。

だが、お辞儀の後、どうしても頭が上げられない。

否、上半身が起こせないのだ。

それから先、その隣のお婆さんは、腰も悪くないのにずっと俯いたまま過ごす事になり、連日の肩こりは留まる事なく彼女を苦しめ、杖無しでは歩けない事になっていた。


そんな彼女の元に届いた噂。

引っ越したお婆さんの恋の話。


人並みになった果実のせいで、ますます若々しく行動するようになった結果の話。

それを知った彼女がどう思ったのか、それは伝わっていない。

そして人々はそれを教訓にしたと言われるが、どのような教訓か分かっていない。


全ては古き古き、遥か昔のものがたり。

 

著作権は第二次大戦後からの出版物と聞きましたので、鎌倉時代が出自と思われるこの話で考えてみました。

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