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白の異端と黒の正道異世界へ  作者: ryurenn
2章 魂装とクラインの迷宮
19/24

2015年正月特別版 初夢ってどういう意味?

皆さんあけましておめでとうございます!

今年もどうぞよろしくお願いします!

 新年


 異世界の国であるアリスト王国にも年の初めを祝う習慣があり、この世界で初めての新年を迎える僕たちは大いに張り切っていた。とくに更紗七海の熱の入れようは異常といっていいほどで僕たちは大変な思いをすることになったのだ。


 例えば


「雪白君、この米だと美味しい餅が搗けないのだけどどうにかならないかしら?」


 や


「やはり正月といえばおせちよね。私はこの世界の食材で何とか再現して見せるから雪白君は重箱をお願い」


 さらには


「そんなチンタラやってたら神社が完成するのが間に合わないでしょう!もっとてきぱき動きなさい!」


 等々。いつもはフォローしてもらっている高木香織がみんなに謝っているのがやけに印象に残った。まあそんな更紗の頑張りによってアリスト王国にはお寺と神社が建てられ、餅つきが首都であるローエンを巻き込んだ1大行事となり、年を越す前に除夜の鐘がつかれることになったりしたのだがまあたいしたことじゃないのだろう。

 それほどの働きをしたので新年の1月1日は何があっても働かないことを決意した。自分で作っていたこたつの中に入り横になりながら美味しいおせち料理を食べることのなんと幸せなことか。これを味わえば世界から争いはなくなるのではないだろうかと思うほどだ。


 しかし僕の幸せな時間を邪魔するものが現れたのだった。


「雪白君、あなた本当にだらけきってるわね」


「今までたくさん働いたんだから今日くらいはいいだろう。もし更紗が邪魔しようとしているならありとあらゆる手を使って排除するからね」


「そんな堂々とひきこもり宣言をされてもね。まあ私の目的はあなたの邪魔をすることじゃないから別にいいのだけど」


「そうなんだ………なんで隣に入ってくるのさ?」


 何も言わずにこたつの中に入ってくる更紗。しかもほかに場所はあるのに僕のすぐ隣に入ってきた彼女は僕に密着することとなる。背中に当たる感触に幸せを感じたりはしないが(してないからね!してないったらしてないんだよ)やはり気恥ずかしいと感じてしまう。


「ねえ雪白君、あなたは今日を迎えるためにたくさん手伝ってくれたわよね」


「まあ、僕も日本風の正月を迎えたかったからね」


「だから私はあなたにお礼をしたいと思うの」


「お礼?」


「ええ、こっちを向いて」


 その声に誘われ後ろを向くとすぐ近くに更紗の顔が………




「あっけましておめでとーう!」


「!?」


 蓮の挨拶と同時に腹を殴られ叩き起こされた僕は混乱する頭を押さえながら状況を把握しようとする。周りを見るとたくさんの酒瓶が転がっているのとディアや更紗、高木などが僕と同じように頭を押さえながら起き上っていた。

 そして起きているとだんだん記憶がよみがえってくる。そうだ新年を迎える1時間前に蓮がだれが一番酒に強いか勝負しましょうっていって酔いつぶれたんだった。


「ほらほら透さん、あけましておめでとうございます」


「ああ、あけましておめでとう。今年もよろしくね」




 なんであんな夢を見たのかは分からないけれどとりあえず蓮には内緒にしておこう。そう誓った新年だった。

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