第17話 爆散する守護者
クラインの迷宮第50階層
そこには1人の男性が待っていた。常にセインが魔道具で様子を見ていたのに見つけることができなかった彼は自らをクラインと名乗り。この迷宮を作った主だと言ったのだった。
「というわけでクラインの迷宮最終層の相手は私、クライン・セルライトなのだよ。君たち覚悟はできているかね?」
まあ、できていなければ死ぬだけなのだがといい彼は突然最後尾に並んでいた僕の背後へとあらわれレイピアを突き刺してきた。咄嗟に盾の魂装《白土》を具現化することでその攻撃を防いだが次の瞬間にはまた別の場所に移動していた。
「透無事か?」
「なんとか。でもあの突きはかなり強力だよ。隕石の落下にも耐えるはずの《白土》にひびが入ったからね。これで10分は使えなくなった」
「そうか。ならば《帝雪》の《要塞化》を使う!全員かたま」
「呼びましたか?」
「!?」
「危ない王様!」
ディアが守りを固めようとしたときに再び彼女の前に現れ突きを繰り出すクライン。それをライが剣を使って何とか弾くがすぐさまクラインはディアに向かって再び突きを繰り出す。
未だに弾いたときに態勢を崩したままであるライにはそれを防ぐことはできず、ディアが相打ちを狙って《雪人》を繰り出そうとしたその時、蓮の銃弾がクラインの剣を弾き第2射が頭を、第3射が心臓のあるべき場所を狙って放たれた。それらは命中することはなかったがディアを守ることに成功したので蓮は安心したようだった。
そして僕は再び転移したクラインと置かれている5つの球を見ていたのだがその2つに関係はないのか球は何の変化も見せないのだった。
「しかしあの転移は厄介ですね。ここは1つ、ありきたりな転移対策をしてみますか」
そう言って黒っぽい粉を僕らの周りに漂わせる蓮。どうやら彼女はそれで転移を封じるつもりなのだけどそれにどういう意味があるのだろうか?
「転移する先に幾らか大きな物質があればそれが邪魔になって転移できない。よく漫画や小説である設定ですけど現実ではどうでしょうか」
なるほどそういうことだったのか。クラインもその説明を受けてよくわかったなと感心していた。
「確かにいまその粉が舞っている空間に転移すれば体内に粉が紛れこみ傷つくだろう。しかしそれも私が普通の人間であればだがね」
そう言って粉があるにもかかわらず蓮の目の前に転移するクライン。やはり彼は人間ではなく、あの程度の粉が体内に入っても問題がないほどの強度はあるようだ。
そうして蓮に突きを放とうとするクラインだったがそれを見た蓮はなぜか笑みを浮かべ一言。
「普通の粉ならの話ですよね!」
そしてクラインの体は爆散した。
クラインの迷宮攻略状況
第49階層まで攻略完了
第5階層大型魔物グリーンジャイアントより魔道具『観察王の観察メガネ』入手
第10階層大型魔物レッドジャイアントより魔道具『傾く正義の天秤』入手
第15階層大型魔物ステルスアントより魔道具『透明手袋』入手
第20階層大型魔物ダブルスネークヘッドマンティスより魔道具『火と氷纏う草刈り鎌』入手
第25階層大型魔物シャドーナイトより魔道具『傷返す鎧』入手
第30階層大型魔物メイジスケルトンより魔道具『闇映す瞳』入手
第35階層大型魔物クライン死霊騎士団より『騎士は死しても騎士なり』入手
第40階層大型魔物クライン魔装大隊より『廻り続ける魔力の恵み』入手
第41階層大型魔物マーダーピエロより『笑ってよほら笑えよう!』入手
第42階層大型魔物グラビティライノより『軽量変化のマフラー』入手
第43階層大型魔物ザ・レインボーより『七彩美人の手鏡』入手
第44階層大型魔物辛辛トカゲより『味飛ばしの一味唐辛子』入手
第45階層大型魔物イレカエルより『無慈悲な交換袋』入手
第46階層大型魔物フライングソードより『1000年の怨念剣』入手
第47階層大型魔物リビングアーマーより『機動鎧Jr』入手
第48階層大型魔物影モグラより魔道具『潜影長靴』入手
第49階層大型魔物キメラ(キングクラーケン、キングスライム、オーガキング他多数混在)より『混ざり進化する核石』入手
クラインの迷宮初級突破を確認
クラインの迷宮第25階層突破を確認
これより第5階層、第10階層、第15階層、第20階層の大型魔物および第24階層までの小型魔物を強化したうえで再配置します
クラインの迷宮中級突破を確認
クラインの迷宮1階層を封鎖します
クラインの迷宮第40階層突破を確認
クラインの迷宮最上階以外の階層にいる人間を迷宮外に転移します
これよりクラインの迷宮は50階層の大型魔物『クライン』が討伐されるか迷宮内に生存する人間がいなくなるまで封鎖されます
今年最後の投稿です。明日は0時に正月特別版を投稿し、17時に第18話を投稿します。
それではまた来年。みなさまよいお年を