第13話 死なずの試練と王の臣下
毎日5時に更新しますと書いていましたが午後5時のことです。あるいは17時。
分かりにくく書いて申し訳ありませんでした。
side クローディア・アリスト
我の試練は単純に戦闘力を測るのが目的ではないのではないかと思ったのは50回目の我の死亡を迎えてからだった。
どうやらこの場所ではたとえ死んだとしても一定時間が経てば何事もなかったかのように生き返るらしい。その代りに生き返るときにかなりの痛みを味わうことになるのだがまあそれで気が狂うわけではないのでどうでもよい。
とにかく彼ら3人の連携は厄介というしかない。どこにも隙間がなく窓もない要塞に守られていながらも外へ向かって断頭台が我を襲う。おそらくは水晶玉の魂装と言っていた白霧の力で外の様子が見えるのではないかと考えている。
そこで我はまず最高威力の魔法を撃ちだそうとし、撃つ瞬間の隙を狙われ殺されること5回。ならばと先に我を守るための強固な結界を築こうと考えもしたがなぜか結界が作動せずに無防備になった我はそのまま殺された。
他にも色々な作戦を立て実行しようとしたがどれもうまくいかずに我の死亡回数が増えるだけだった。
そして今までの作戦は全てあの強固な要塞を砕くことを目的としたものだったので、もしかするとそれがいけないのではないかと考えたのだ。
………しかし
「やはりまずはこの要塞をどうにかしなければならないはずなのだが」
どうしたものかと悩んでいると背後に何かが落ちたような音がし、何事かと見てみるとそこには見慣れぬ服装をしたセインと頭を押さえてのたうち回るライだった。
「貴様ら!?いったいどうしたのだ!」
「王?ここは王が儀式を行っている場所ですか?」
「ううー頭打ったよー」
いきなり現れた2人の話を聞くとどうやら儀式を成功させたところ気づけばここにいたそうだ。おそらくはこの2人が雪人殿の言っていた救済策なのだろう。
そう思い2人の手に入れた魂装の力を教えてもらい作戦を立てた。成功すれば間違いなくあの要塞を砕けるだろうが失敗すれば我ら3人は死んでしまう。
ここで心配なのはセインとライがここで死んだ場合2人は生き返ることができるのかということだ。生き返るのならばいい。だが生き返らないのなら………いやそんなことは考えなくてもいい。そもそも2人が死ぬことを前提にしなければいいのだ。この作戦は確かに難しいが失敗しなければ死ぬことはない。我が今すべきことは2人を信じて作戦を実行するだけだ。
「行くぞ2人とも!」
「オッケー!いくよ《白夜》!」
「焼き尽くして見せましょう!」
ライが動き回りながら一カ所を攻撃する。セインは我を守りながらライの援護もする。そして我は2人を信じ準備に30分もかかる血統魔法の詠唱に入る。それだけの単純な作戦だがこれが失敗すればもうどうしようもないだろう。
故に全力を注ぐ!作戦は成功させるしセインもライも死なせはせん!