表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度妻をおとすレシピ 第5冊  作者: 奄美剣星(旧・狼皮のスイーツマン)
掌編小説
19/100

掌編小説/三十分私小説 ノート20141111

 出勤時間まで二十分だ。この時間で修練としての作文をどうするか。この際、校正は無視する。ジャンルとすれば私小説としてみる。

 いまいるとある地方都市での単身赴任での生活は自炊が多い。野菜を多く取りたかったわけだ。毎日、季節の野菜・きのこをふんだんに使って、味噌汁やらうどんやらを多くとった。京風卵焼きに鯖缶、それから煮豆なんかをとった。

 ――なんて健康的!

 これだけ健康にいいことをすれば、多少のアルコールは平気だろう。

 ウィスキー・ストレート、炭酸割毎晩。

 ウィスキーにはスナックもあうぞ。

 締めはプリンでなくてはならない。

 ときとしてアイスクリーム。

 ……そして体重を五キロ増やす。

 ――やばい。

自炊して健康をやや損ねた私は、以前のように、カロリー表示がされた、ファースト・フード店にゆき、朝食セットを食べにゆくことにした。以前いっていたときは自家用車だったのだが、あえて自転車にした。

 フリー契約している会社社宅のガレージに何年も前から放置されていたポンコツで持ち主不明。燕がふんだらけにして壊れていたのを自転車屋にだして、乗れるようにしておいた。

 このガレージというのも、歴代住人たちが、掃除もしないでいるから、燕の糞は厚さ五センチくらい堆積していて、雪かき用のスコップを会社から借りてきて、清掃したときは、悪臭が漂って、咳き込んだのを憶えている。

 プラスチック製金魚鉢には、日本ザリガニの死骸、枯れた植木鉢、工事用コーンがなぜここにある? そういうのをゴミ処理しておいた。

 弾むスピード心も軽く。……もないけれど、朝、自転車道を走らせれば、街路樹は色づいて、はらはらと落ちてくる。

 真新しい市役所支庁舎。

 そして中学校だ。

 会社の先輩というのは旧知で、昔いた会社のときの先輩でもあった。会社が潰れると、どっと、そこにスカウトされたのだ。私は他の会社にいたわけだが、親の健康の関係が合って、いつでも辞められる環境でいたいため、現在のスタイルをとっている。

 その先輩がいう。

「××君は昼休みに散歩する。彼の散歩コースに中学校がある。そのうち不審者扱いされるぜ」

 まだ朝早い。六時台後半というものだ。生徒どもがくることはあるまい。

 しかし美少女かどうかは人の価値観というものだが、ともかく、年頃の娘さんが自転車で通学してきた。部活か。意表を突かれた。目が合わないように、フェンスに面した通りを横切って、例のファストフード店に入る。

 朝早くだと、トラック運転手や職人さんたちが食べていることが多い。

 椅子に座る。

 すると、その場には不似合いな、背の高い正真正銘の美女がいた。冬仕様のスカート、フェルトジャケット、ブーツ。キンドルのような機器で小説を読んでいた。

 食事を終えたとき店員さんが珈琲を持ってきたそのとき、彼女が振り返り、目が合った。

 続きはウエブで。

 出勤あと四分。

 いってきまーす。

    ノート20141111

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ