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~prorogue~
僕がなろうを知る前に書いた、短編以外では初の恋愛小説。出来るだけ推敲し直したつもりですが、文法作法のおかしな点残ってたらすみません。
時折吹き付ける風で落ち葉が巻き上げられる、そんな秋の終わりの寒さなど、子供たちにとって遊ぶのを止める理由になどならない。
今も公園では、小学生くらいの男の子が集まってボールを蹴って遊んでいる。その中で一際足の速い少年がボールを蹴った時、今日一番の強風が吹き付けた。ボールは大きく軌道を逸れ、公園の外へと転がっていってしまった。
先程の少年がボールを追いかけて外に出ると、本を読みながら歩いていた、彼とあまり歳の違わない少女が丁度ボールを拾い上げた。
「これ、貴方の?」
「おぅ。拾ってくれてありがとな」
そう言って少年は満面の笑みを浮かべた。
少女も少し頬を染めながら微笑み、再び本を開いてそのまま去っていった。
少年もボールを手に、仲間たちの所へと戻っていった。
少しこそばゆい風の吹く、ある秋の日の出来事。