ある梅雨の日に~そのあと~(200文字小説)
以前投稿した200文字小説『ある梅雨の日に』の続編です。
「どうぞ」
隣の彼が傘を差し出した。
突然の雨に雨宿り。
狭い軒下に何人も入って来た。
押し出されるように私は外へ。
そこに傘を差し出されたのだ。
傘を持っているのならどうして。
そう思って私は彼を見た。
「君の隣に居たかったから」
彼は傘を広げて私の肩を抱き寄せた。
「行こう」
連れ去られるように私は彼と歩き出した。
「そんなこともあったね」
ウエディングドレスを着た私の隣で彼が言った。
「これからもずっと隣に居させてね」