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第4話:現実に戻る/痕跡の残存

翌朝、目が覚めると、部屋はいつも通りの光に満ちていた。

ベッドの横に置いた鏡をぼんやり眺める。

「あれ……戻った?」

そう、鏡の中の自分も、現実の私も、いつもの清楚な姿に戻っていた。

安心感と同時に、どこか物足りなさが胸の奥に残る。あの甘く熱い感覚――羞恥と快感の入り混じった刺激は、まだ体の奥でくすぶっていた。

しかし、スマートフォンを手に取った瞬間、胸の奥がざわつく。

昨日、思わず送信してしまった写真や動画――鏡の自分としての大胆な私が、デジタル上に確かに存在しているのだ。

「……やっぱり、消せない」

理性は慌てて言い聞かせる。

でも心の奥底では、再び鏡の自分に逃げ込みたい衝動が湧き上がる。

指先が無意識に髪に触れ、胸の奥で熱い波が広がる。目を閉じると、あの妖艶な視線、微笑み、しなやかな動きが鮮明に蘇る。

現実の私は、清楚で理性的な姿に戻った。

でも、心の中の本当の私――あの鏡の自分――は消えていない。

恥ずかしいけれど、どこか嬉しい。自分の奥底に秘めていた大胆さと妖艶さが、確かに存在していることを知っているから。

そして私は、ふと思う。

「また、鏡の前に立ったら……」

胸の奥の甘い高鳴りが、次の出会いを予感させる。

羞恥と快感の記憶を抱えながら、現実の私は、まだ完全には戻りきれないまま、日常に歩み出したのだった。

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