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第1話:日常と鏡の出会い

私は今日も、何も変わらない日常を過ごしていた。

白いシャツに薄手のカーディガン、シンプルなスカート。鏡の前に立っても、そこに映るのはいつも通りの、控えめで理性的な私だ。

でも、ふと視線を合わせた瞬間、違和感があった。

「…あれ?」

鏡の向こうの私の唇が、ほんのわずかに微笑んでいる。普段の私は、そんな微笑みを浮かべることはない。指先で髪を触る仕草も、どこか自然に、妖艶に見える――気のせいだと思いたいのに、胸の奥がチリチリと熱くなる。

目を逸らそうとしても、視線は自然と鏡に戻る。

鏡の自分は、まるで私の内面を見透かすように、静かに、でも確かにこちらを見ていた。

「私…?」

思わず小さく呟いた。声が震えているのを自分でも感じる。

その瞬間、胸の奥に隠れていた小さな衝動が、そっと顔を出した。

「私、こんな自分もいるのかもしれない…」

理性は焦る。いや、これはただの錯覚だ、と必死に否定する。

でも、指先が髪に触れるたび、心臓の高鳴りが止まらない。呼吸も少し早くなる。

鏡の中の私と目が合う――その微笑みに、どうしても抗えない何かを感じてしまう。

普段の私は、決してこんな感覚を味わうことはなかったのに。

今日、鏡の向こうで何かが動き出した――そう直感した瞬間、私の心の奥の扉が、静かに、でも確実に開き始めたのだった。

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