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さよなら  作者: 松本 和
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第1話

女と男の友情ってありえるんだろうか?

…恋敵同士の友情は?


そもそも本当の友情て何なんだろう。



アヤカと俺は幼馴染だ。

ちっくいころからの付き合いで、家も近くて親同士も仲良しだ。


アキラと俺は友達だ。

高校で知り合った俺達は、性格はまるで正反対なのになぜか一緒にいる。


アキラとアヤカは…



「アキラ〜!ねぇ聞いて聞いて!

サクってばひどいんだよ〜。わたしのこと馬鹿って」

「それはほんとのことだからなぁ」

「アキラもそう思う?わたし馬鹿なのかな?」

「しゃべり方からして馬鹿だろ。…いや、馬鹿っていうよりまぬけ?」

「ひ、ひっどぉぉい!!」


これは俺とアヤカの日常的なやりとり。

それを止めるのはいつだって…


「サク。またお前はそんな心にもないこと言って」

「心にもないかは俺にしかわかんなくね?本心かもよぉ?」

「だとしたらお前は最低の人間になんぞ」

「…じゃ、俺最低の人間じゃん。それと友達ってどんな感じよ?」

「少なくとも退屈することはなくていいな」


アキラがふっと笑う。

そうしたときの顔は一番かっこいい。


「なんでいい感じにまとまっちゃってるの?」

アヤカが少し不満げに頬を膨らませる。

そうしたときの顔は一番かわいい。


俺はそんな二人を見てにやりと口端を持ち上げる。

そうしたときの顔は一番いけてる。…自称だが。


「あ。二人は知ってる?かなこ先生9月から産休だって」

かなこ先生は俺らの担任のせんせで、まだ25歳で若いのに高校3年の担任という重大責任をおった人だ。

にも関わらず先生は第一子をそのお腹に宿している。

結婚2年目だから、当たり前といえば当たり前なのだが、高3のこの時期に担任が変わるというのは、不真面目な俺からしてみてもいいものとは思えない。



「25歳で親かぁ。すげぇな」

「いいよね。素敵」

そういってほほ笑むアヤカの横顔を見ているアキラは、とてもとても幸せそうだった。





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