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【書籍発売中!】ライブラリアン〜本が読めるだけのスキルは無能ですか!?  作者: 南の月
第二章 逃げる冒険者

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浄化

「おはよう…ございます…ふぁ」


「テルーおはよう!

ん?昨日水浴びした?

とってもスッキリしたわねっ!

でも、冬の間は夜の水浴び厳禁よ〜。

寒くて風邪ひくわ。

まぁ、そろそろ浴びたくもなるわよねぇ〜。

今日、明日あたりで1日水浴びや洗濯する日を取ろうと思っていたんだけど…ごめんね!言ってなかったね。」


「え?

いえずっと手ぬぐいで拭うくらいでしたから、そろそろ水浴びしたいなーとは思っていましたけど、昨日は水浴びしてませんよ?

あんなに寒いのに流石に無理ですよ。ふふふ。」


「うそー?

でも髪もツヤツヤふわふわよ。

ちっともべたっとしてないし…服も洗濯したみたいに綺麗なんじゃない?」


確かに指通りがいい。

んー?

昨日したことといえば結界の実験くらいだしな…

と思ったところで、昨日実験に使ったベンチに目をやる。

え!?

ベンチは料理の際にコンロとして使っていたベンチだったので、何度も使用するうちに火が当たる場所が黒くなっていたのだが…ない…綺麗になってる。

昨日なんか違う気がしたのは、汚れがなくなって綺麗になってたからか。

でも…なんで?


「テルーなんか面白いことしたんでしょ?

ねえっ!何したのー?」


浄化と守護の呪文で実験してた。

…浄化って汚れも落としてくれるってこと?!


「イヴ。昨日私魔法の実験してたんです。

多分それのせいですね…

痛くも痒くもないので、イヴに試してみてもいいですか?」


「テルーは目を離したすきに面白いことしてるからな〜。

その魔法とっても気になる。

ぜひやってみて!」


昨日と同じように浄化と守護の呪文を唱え、イヴを包み込む。

昨日と同じく一瞬キラキラとした光が舞い踊る。


「綺麗…」

イヴが目を見開いた。


魔法を解除するとイヴも汗や汚れがスッキリ落ちて綺麗になっていた。

やっぱり浄化って…瘴気や毒物だけでなく汚れも取り去ってくれるのだわ。


「…すごいね。これ。

水浴び要らず!洗濯いらず!

でも綺麗になることわかってなかったってことは、実験で試したかったことは別のことってことよね?

何のために実験してたの?」


「えっと…あの…先日モースリーの件でイヴに心配かけてしまったでしょう?

私は狩もできませんし、歩くのも遅いですし、体力もないですし…そもそも私がライブラリアンでなければ…こんな人目を避けるように山沿いに逃げなくてよかったはずなので…

それで…あの…だから、お留守番くらいちゃんとできるようになろうと思いまして、結界の実験をしていました。」


「…テルー。

私はあなたのこと大好きよ。

あなたと過ごした時間は短いけれど、私にとっては大切な妹なの。

お姉ちゃんが妹を守るのは当たり前。

確かに街に寄らず、2人っきりで山を登って隣国を目指すのは大変よ。

大変でもいいの。

私が守りたいんだから。

それに…大変だけどテルーといると面白いわ。

貴族令嬢だったくせに料理したいって言い出すし、家に帰りたい!こんな旅嫌だ!って泣き言言うかと思ったら、急に植物の勉強しだして、「あれはきっと食べられるものです!」「採取して行きましょう!」なんていうんだもの。

今度は一晩で見た事ないすごい綺麗な魔法使ってるし…

見ていて全然飽きないのよね。ふふっ。」


「イヴ…」


「だからそんなこと気にしなくていいのよ。

私は好きで一緒にいるからね。

そ、れ、よ、り、も!

結界って言った?!

結界ってあの結界?!聖女が使うアレ?

え?テルー使えたの?え?

テルーって聖女?」


「イヴ落ち着いて!

私はライブラリアン。

聖女じゃないから!

結界作れないかな?と思って、聖女マリアベル様の伝記を読み直したんですよ。

そしたら一箇所だけ祈りの言葉が記載されていて、それが古代語に訳したら癒しの呪文に似ているな〜と思って、ダメ元で試してみただけですから!」


「ふーん。

簡単にいうけど、たぶんすごいことじゃないのかなぁー。

私、古代語読めないからなんとなくそう思うだけかもしれないけど。」


「いや、多分昔はみんな使えた魔法なんじゃないでしょうか。呪文自体は聖魔法の魔法陣にも使われてますから。

昔は結構聖魔法の魔法陣入りアクセサリー持ってたんですよね?

昔は普通にみんな使えたんですよ!きっと。」


「んー?そうなのかしら?

それより、結界の出来栄えはどうなの?」


「あ!一応昨日それらしいものはできました!

あのベンチに結界張るので、ちょっとイヴ攻撃してくれませんか?」


それからイヴはベンチに向かって魔法を放ったり、剣で切り付けたりしていたけれど、ことごとく跳ね返された。


「うそ。すごいわね。」


「これでお留守番はバッチリです!ふふふ。」


それから私たちは朝ごはんを食べ、いつものように出発した。

いつもは途中で魔物が出ると、私に近づく前にイヴが瞬殺するのだけど、その日は結界の実験も兼ねて、魔物が出るたび結界をかけ、わざわざ攻撃を受けた。


うっ!

まだ戦いには慣れないな。

今までは私に近づく前にイヴが倒してくれていたから、それほど気に留めなかったけれど、この実験ではそうもいかない。

毎回間近で戦いを見ている。

正直怖い。


ちなみに実験結果はというと、結界を破って攻撃できた魔物は1匹もいなかった。

入れた魔物も1匹もいなかった。

中には先日私が戦ったモースリーもいたが、羽をバタバタ揺らして鱗粉を撒き散らすも結界内にいた私たちは眠気を感じることはなかった。


もう1つ発見は、結界内から攻撃できないことだ。

帯剣することは問題ないが、剣を抜き、さて倒すぞ!と思った瞬間剣が飛んで行った。(イヴのね。私は剣なんて使えない。)

殺意は結界の外でなければならないらしい。

では、魔法はどうなるのか?と思い実験したところ、結界内でも料理するために魔法を使った時は問題なく魔法が使えた。

けれど魔物を倒すべく攻撃魔法を繰り出すと、繰り出したそばから雲散してしまった。


つまり結界内にいたらこの上なく安全だけど、こちらから攻撃もできないということらしい。

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