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【書籍発売中!】ライブラリアン〜本が読めるだけのスキルは無能ですか!?  作者: 南の月
第一章 底辺スキルの貴族令嬢

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きのこ栽培

「ネイト!」

「おぉ久しぶりだな!」


今日は久しぶりに孤児院に来ている。

領内会議中はひっきりなしの来客に忙しく(私も護衛も)、屋敷から出られなかったし、お父様たちが王都へ行けば、一緒に護衛も連れていかれるので、護衛騎士が減り、私は暇でも屋敷から出られなかったのだ。


だから約2ヶ月ぶりの孤児院である。

孤児院の庭の片隅に作った畑は、少しずつ拡大しているよう。

収穫して野菜が増えることで、夕食のおかずも増えたのだとか。

余剰分の作物は売り、そのお金で新たな作物の苗や絵本などの購入に充てているという。

領から孤児院に当てられるお金は多くない。

そのお金だけなら衣食住がギリギリ保証されるくらいで、学問に使えるお金はなかった。

それが少しでも自分達の将来に備えられるようになったのは、ここにいる子たちにとってよかったことだ。

読みだけなら、赤ちゃん以外全員できるのだ。

書きに関しても7割がマスターしているし、残りの3割も半分以上の文字は書けるようになった。

これなら何かしら職に辿り着けると思う。


「いいもの見せてやるよ。」と手を引かれた。

ネイトの走りが早くてこけそうになる。

それに気づいて、「悪かった」というとヒョイと私を抱えてジャンプした。


「ひゃっ!」


えええええええ!屋根より高いよ!

と思った途端…降下がはじまる。

「お、お、ちるぅぅぅー!!!!」と声を上げた時には地面にたどり着いてた。


へなへなと座り込む私。

「大丈夫か?身体強化だったら思いっきりジャンプしてみたかったって言ってたじゃん。」

言ったけど、告知してほしかった!

ネイトはこの冬6歳になり、スキル鑑定の結果身体強化だったのだ。


ちなみに私の叫び声を聞いて、すっ飛んできた大人にネイトはかなりこってり絞られた。

「変な声出すからバレたじゃん」と私もネイトに怒られた。

そうだよね。ネイト側に立てば、私が望んだこと叶えたら、叫ばれて、叱られてるのだ。

理不尽って思うよね。ごめん。

…でも仕方ないと思うんだ。

あの高さ…告知されてても叫ぶ気がする。

一応私も悪かったと思ったので、助け舟を出したら、私も怒られてしまった。むぅ。


ちなみにネイトが見せたかったものはジャンプではなく、その奥のきのこだった。

私がしばらく来ない間に孤児院は畑を拡張するだけでなく、きのこ栽培も始めていた。

あれ?この孤児院どこへ向かっているのだろうか…

私が始めたことだけどさ。


「なぁ。きのこは何で食べたら美味しいかなぁ〜。

またじゃがいもの時みたいにパーティしようぜ。」


「そうねぇ〜。やっぱりシチューかしら?

まだ寒いからあったまるよ」


孤児院に余分な財源はない。

だからパーティなんて、こないだのじゃがいもパーティが初めてだ。

子供たちはジャガイモ畑の前でしたピクニックも収穫の時のパーティもとても楽しかったみたい。

それもあって農作業はかなり積極的なんだとか。


ネイトも「シチューかぁ。いいな!」と嬉しそうだ。

私もシチューパーティ楽しみだ。



**********

孤児院から帰るといつも余裕のあるマリウス兄様がバタバタと急いでお父様の執務室へ向かっている。


顔色も悪く、顔面蒼白だ。

何か…あった?


「お兄様!そんなに急いでどうなさったのです?

顔色もすぐれないようですが…」


「あ、あぁ。ちょっとな…

急ぎ父上に報告しないといけないことがあってね。

テルミスは今帰りかい?」


「はい!久しぶりに孤児院に行ったらキノコの栽培まで始めていたんですよ。

キノコが沢山収穫出来たらキノコのシチューでパーティするんです。ふふふ。」


お兄様の顔が一瞬くもる。

すぐに笑顔で頭をぽんぽん叩いて「それは楽しそうだな。」と言って、執務室に入っていった。


お兄様の態度がちょっと変だったなとは思ったのだけど、毎日のスケジュールをこなしていくうちにこの違和感はすぐに忘れてしまった。

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