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【書籍発売中!】ライブラリアン〜本が読めるだけのスキルは無能ですか!?  作者: 南の月
第一章 底辺スキルの貴族令嬢

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[閑話]タフで脆い女の子

ククッ。

「ん?どうした?」


「いや面白いなと思って」


「!いくらアルフレッドでもテルミスはやらないよ」


「大丈夫。まだそういう気持ちじゃないから」


「まだって…おい!」


パーティの時に久しぶりに会った友人の妹は、6歳なのにまるで同い年かと錯覚するくらい落ち着いていた。

たった3年でこんなにも成長するんだな。人って。

学園の話題からスキルの話題に変わった時も。

最初からいい反応はないとわかっていたのだろう。

少し目を下げたが、それはほんの一瞬。


不遇なスキルでも何か役立てることがないか模索しているという。

イヴァンが嫌味を言いにきた時だって、俺もマリウスも眉間に皺寄せて、明らかに不愉快とわかる顔で臨戦態勢だったのに、

庇おうとした俺たちを制すかのようにサッと前に出て、自分で受け答えしたんだ。

しかも、嫌味に反応して怒るでもなく、ひどいとなじるでもなく、冷静に正論を。


8つも上の男から嫌味を言われたら、普通泣くか逃げるかだと思うんだけど…強いんだな。

逆にイヴァンは8つも下の女の子に迎撃され恥をかいてた。


パーティが終わって、その翌日からマリウスと訓練漬けの日々が始まった。

強い妹のことなんて全く心配してなかった。

俺の中ではもう終わった話だったのだ。

でも数日経って、マリウスが妹が心配だと言う。

食事量も口数も減り、以前は勉強したり孤児院に行っていたらしいが、全く何もしなくなり、ボーッと本を読むだけになっているらしい。

今は王都での社交シーズンのため両親もおらず、心配だという。


あの子が!?あんなに強いのに…そう思ってハッとした。

強く見えても、まだ6歳だった。

初めての社交だった。

きっと悪意ある視線に晒されたのも初めてだろうに…

いつのまにか自分と同レベルで考えてしまっていた。

まだ庇護されるべき年齢だったのに、何をしているんだ。自分は。


「今日の訓練はこのくらいにしないか?

落ち込んでいるなら気晴らしに3人で遠乗りに行こう」と言ったのは今朝のこと。


それはいいと2人で屋敷に戻ると何やら騒がしい。


「サリー様一緒に頑張りましょう!

ムカつく理不尽を打ち倒してやるのです。

私のパティシエになってください!」


「え?お嬢様??ぱてぃしえ?って…え?」


「お菓子作り専門の料理人のことですわ!

うんとおいしいお菓子のお店を作りましょう!

女性だからなんなのです!女性でもできるってこと見せてやりましょう!」


「やります!いや、やらせてください!」


あれ?落ち込んでいるんじゃ?

落ち込んでいると聞いてた妹は完全復活していた。

お菓子職人に熱烈アピールしているみたいだ。


ふふっ。

不思議と心配して損した!とは思わなかった。

楽しそうでよかったとは思ったけど。


差し入れてもらったプリンは美味しかった。

初めて食べる食感で驚いた。

これからお店を作りたいのだという。

こんなに美味しく珍しいお菓子なら売れるだろう。


嫌味を言われて、悪意に晒され、落ち込んでいたと思ったら、事業に着手して復活した。

面白い。

面白いけど…本当に6歳か?


「テルミスはやらんぞ」と睨む彼女の本当の兄であり、僕の親友は本当にめんどくさい。

お嫁に行く時はどうなることやら。


「だから、可愛いけれど流石に6歳の女の子に恋しないから!妹みたいに思ってるって言ってるだろう!」

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― 新着の感想 ―
[一言] ぶっちゃけパティシエも男性のが多い職業ではあるけどね 味覚が月のもので変わっちゃうから 分量とかきっちりすればいいんかなぁ
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