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ー小学4年春、憧れのマサー

桜の花びらが散る頃の始業式も終わり、

それからひと月が経とうとしていた。


「今日の算数の時間は珠算そろばんだ。

 珠算習ってる奴いるか?」

 いかにも強面な4年1組の担任森谷が

 クラスにどれだけ珠算が凄い奴がいるのか

 知りたくて興味があり勝負もしたかった。


(あーカッタリー。俺算数嫌いなんだわ。

 あっ、そういえばマサは算数得意だから

 ソロバンも出来るんじゃねーか?

 マサって結構可愛くてトロくて天然で

 考えただけで抱きしめてー。

 こんな俺がマサを好きなんて

 マサは知らねーよな、

 こんなん知ったら気持ちわりーよな。

 アイツ、結構女っからモテっからなあ。

 でもアイツ、そんな事気づいてねーし、

 そもそもマサはガキだから、

 愛だとか恋だとか経験ねーか。)


「はい、先生」

(流石マサだ、早速手上げてるな)


「このクラスはマサだけか。

 マサ、先生と勝負しようか。

 先生が願いましてーは、と言ってから

 億までの数の読みかけ算を

 早口で言うので、問題を言い終わった後、

 回答してください。

 マサが正解した場合、明日の算数の授業は

 教壇でマサが教師となって

 皆に教えてやってくれ。

 但しマサが間違えた場合、

 明日の算数の授業は算数のテストをやる。」


「ご破算で願いましてーは、

 ひゃくごじゅうさんまん

 にせんきゅうじゅう円なーり、・・・

 ごおくはっせんごひゃくいち円なーり、

 にせんよんひゃくごじゅう円でーは。」


「はい、答えは、よんじゅうごおく

 きゅうせんななひゃくろくまん

 さんぜんひゃくいち です。」

マサは自信に満ちた表情で先生を見つめていた。


(相変わらずスゲーぜ。流石マサだ。

 先生に勝ち誇ったあの笑顔、

 ヤバいわ、カッコイイわ、

 クラスの皆も俺と同じ様に

 マサすげーって感じで見てるよな。)


「正解だ、マサ。先生完敗だ。

 約束通り明日の算数の授業は君に任せる。

 皆に教えてあげなさい。

 それでは今日の授業はここまで」


午後最後の算数の授業が終わり、

帰りの日直の号令ですぐるは早速

大好きなマサに真っ先に駆け寄った。


「マサお前スゲーぜ。天才かよ。

 問題を言い終わった瞬間に

 答えて正解しちまうもんな。」

とすぐるはマサに言いながら

マサへ抱きついた。


(やべーマサの匂い良いじゃん。

 マサとキスしてー。たまらねー。

 マサは一人エッチとかまだだろ。

 マサに色々教えてやりてー。)


「相変わらずお二人仲が良いよなあ。

 すぐる、マサ、帰ろうぜ。」

アキヒロが二人の戯れ合いに声をかけ

3人でいつものように帰宅すると、

マサが何気なく二人に質問してきた。


「僕、最近ちょっと変なんだ。

 結構恥ずかしんだけど、あの、

 すぐるとアキヒロは白いオネショとか

 したりする?僕だけかなぁ。」


すぐるとアキヒロはマサの突然の質問に

二人が共にお互いの目を数秒見つめ合っていた。

イキナリマサがぶっ飛んだ質問をしたので

何が起きたのか一瞬判らなかったが

その後すぐ二人はマサを見るなり

大笑いしだした。


(やべーマサが無精したのか。

 マサも男になったのか。

 やべーマサの無精見てー。

 やべ、興奮してきた。)


「もう、すぐる、アキヒロ、酷いよね。

 あっ僕、一人で帰る。さよなら。」


「おい、待てよ。おい。」

(マサ、やべー可愛すぎる。

 マサは算数においては学年で1番の成績。

 マサは俺にとって雲の上の存在だ。

 俺は取り柄ってのが、ねーから、

 正直マサが羨ましい。

 それにマサは悩みが全く無さそうだから

 きっと誰よりも本当は強いのだろう、

 俺なんかと違って)

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