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第1話 生徒が訪ねてきた
どんどんどん!
どんどんどん!
勢いよくマンションの扉が叩かれる。
叩かれまくっている。
怖ぇ。
超怖ぇ。
誰だよ。
俺の生徒だよ。
生徒が尋ねて来たんだよ。
ヤンデレ女子が。
勘違い女子が。
あれは気の迷いだったんだよ。
ほんの一時の。
ちょっと優しくしてやったら、すぐこれだ。
愛が重い。
狂気すら感じるそれはむしろ凶器だな。
どんどんどん!
どんどんどん!
しばらくしたら音がやんだ。
諦めて帰ったようだ。
近所迷惑にならないかどうか不安だったか、まあこれで連れ無くされている事に相手も気が付いただろう。
俺なんかにかまけてる暇があったら、学生は勉強してろって。