再来者と気力
台座に置かれた指輪を触れるクレハの頭の中に見たことも聞いたこともない場所がいくつも浮かび上がる
知ってる場所はないのかな?答えるように記憶にある風景が浮かび上がってきた
懐かしい、通いなれたいつもの風景の町や村、行き慣れた草原や通い詰めた狩場
お店のおじさん元気かな、馴染みのパン屋さん、新作の商品並んでいるんだろうか食べたいな
長い戦いの影響か、昔のように感じるよ
抱きしめたいよ・・りのな、みなつの声が恋しいよ、心配してないかな?探してるんじゃないのかな?・・・もう直ぐ帰るからね
『忘れられた古代の指輪』を手に入れました
指輪を手にしたことでクレハに声が聞こえてくる
なにか尋ねている?【聞こえますか?】
「聞こえてるよ」
「嫌だ、お腹の音聞こえた うふふふ」
「番うよ、石の部屋に強制転送してきた人ぽいよ、指輪、触れてみてよ」
【声が届いてるてことは、試練を乗り越え手にしたのですね。失われた古代の技術、システムが存在する前に作られたものです。試練を乗り越え貴方たちに、相応しいでしょう】
「呼び出しておいて、丸投げって、助言くらいは欲しかったな」
「クレハ、早く帰りたいの、転送してよ」
【女神が作り出した指輪、女神の名はりのな システムに気付かれることなく移動できます 指輪に問いかけて」
『りのなの指輪』が、使えるようになりました
どちらに移動しますか?指輪が尋ねてきた
「頭に浮かんだ場所にもいけるるんだ、多いね」
「指輪手にした時も、いっぱい浮かんだよ」
「ここの風景、みてみたくないクレハ」
「くしし 同じこと考えたよ 楽しみだよね」
「うふふふ 私たち気が合うよね 寄り道は一人1回ね」
自然と二人は指を絡め、手を握っていた、お互いの目と目を合わせる
「くしし ここが気になる」
クレハが、場所を決めると転送された
海の中に転送されていた
透明な部屋にいる、お魚が気持ちよさそうに泳いでいる
海の中に部屋はあるが、隔離されているようで酸素もあった
カラフルな魚たち、南国の様な温かい海水温なんだろうか
魚群が泳いでる 近くで見ると迫力がある
「手伸ばしたら触れそうな距離だよ」
「あいかの眺めてる、お星さまはいつも手が届きそうだよ」
「うそだよ、こんなに近くに感じないでしょ」
「感じてるんだよ、クレハの感覚がずれているんだよ」
「そうなのかな?嫌、絶対、あいkぁが変なんだよ」
「次は、あいかの番だよ、ここがいいかな」
再び転送された、大きな滝だ、虹が浮かんでいる綺麗
「クレハ、私、星になったの、力分けてあげる」
あいかがクレハに触れると、足元に虹色の星の図形が現れ、ふわふわと浮いている
「なにこれ、どうなってるの?」
「便利でしょう?使えるようになったの うふふ もっと近くで見よう」
おぼつかないクレハの操作に手を握り、引くように移動していく
滝に近づくと水しぶきが、顔や手が濡れて気持ちいい
流れ落ちる滝の音が激しいが心地よく感じられる
目で合図を送ると上空に飛んでいく
「ちょっと、早くないですか」
「もうちゃっと早くね、分かったわ うふふふ」
「ぎゃぁー」
「そんな喜ぶなんて うふふ」
「ねぇ、今、わざっと聞き間違えたでしょう?酷いよ」
嫌だというのにスピードを上げて怖かった・・・怖い顔で睨みつける
「好きなあいかの顔みたい気持ちわかるけど、鳥になった気分だよ、下見てみてよ」
上から眺めると光の反射でキラキラと宝石のように輝いていた
「しゅ、しゅごい」舌が回らない
感動してるクレハをみて満足そうあいかだった
「あいか、準備はいい?」
「そうだね、ご褒美貰わなくちゃね うふふ」
転送されると石の部屋かと思いきや、クリスタルの空間だった
自然のものとは考えられない、切り出され加工されたクリスタルのブロックが組まれた部屋だった
幻想的で、神秘的なパワースポット感がある、実際にあるのかもしれない
誰が何のために、このようなものを作ったんだろう
クリスタルは周波数をもつというし、図書館なのかもしれない
声がリズム的に響いて拡張されるのかもしれないコンサート会場なのかも
あれこれ想像をふくらませていると・・・
中央にあるクリスタルの柱から声が聞こえてきた
【貴方たちが使う、気力?この世界には魔法はあっても存在しないのです
気持ち、やる気、こうしたい、こうなりたい実現させる力、それは再来者だけが扱える力
あなたたちはこの世界で誕生してはいないことになります】
「うそだよ とても信じられない でも、魔法覚えようとしたけど使えなかったんだよね」」
「確かにあいかも、魔法使えなかったよ、それに小さい頃の記憶も無いよ」
「周りの人で、気力使える人いなかった、あいかに出会って、同じ人いたんだって嬉しかったよ」
「みなつも、長い付き合いだけど魔法使うのみたことない」
「気になってしょうがないだけど、りのなの指輪の事教えて」
「あいかも気になっていた」
【システムが存在する遥か昔の文明、その生き残りである女神の名前がりのな
クリスタルの真の力を引き出せるそうです
古代文明のクリスタルが堀出され、使われることを嫌がる神々が、
世界をリセットしようとした、悲しんだ、彼女が力を貸したそうです】
「私たちの、親友に不思議なオーラを使う、同じ名前の子がいんですけど」
「りのりの女神みたいだよね。不思議なことする」
【女神りのな、本人なら、不死身の肌を身に着けるはずです
この世界はまだ作り出せない高度な技術、ダメージ無効化効果
皮膚に薄いバリアが、張られているとか、証明になるでしょう】
「まさか、りのな、戦い見たけど、アイドランスの攻撃が無効化されていたよ」
「その人、誰?」
「話したでしょう、みなつの機嫌の悪い原因作った人」
「うふふふ あの事件か、結局なんの欲望だったの?」
「パンケーキだよ お肉食べたいといっても、進めてくるから変だなとは感じてはいたんだよね」
「ほらね、みなつの頭の中、パンケーキで出来てるでしょう」
「あいか、話の中に嘘入れて来るからわかりにくいんだよ」
「嘘なんかつきませんよ。見る角度がほんの少しズレることが、あるだけだよ」
「えー、本当にそうかな?」
「こんなにクレハの事すきなのに、分かってもらえないのね、愛って難しい」
なんか、納得いかなクレハだった
 




