20 勇者
依頼の清算が済んで、クレハが戻ってきた。
残った鉱物は、貴重なものが多く含まれ、高額で売れたそうだ。
価値が付けられないと売れ残ったクリスタルリングだったが、あいかが指にはめてご機嫌だった。
「ねぇねぇ、似合うと思わない?」欲しいアピールしてきた
「綺麗、似合ってるよ」りのなは、素直な感想だった
「邪魔になって、不便じゃん」光雷、握りにくいだろうな
他に欲しがる素振りが無いことを確認した!この機会、逃してなるものか、お腹いっぱい食べれる口実が出来た。
期待で胸躍るみなつは、提案をした。
「とても喜んでますし・・パンケーキ10枚ですかね?」
「可愛そうだよ・・・でも、食べたいな」反対しかけたが・・のってきた
「クレハは、苺ケーキワンホールで、我慢してあげる」
「苺!それもいいね♡迷ちゃうな」苺て聞くだけで幸せ感じて笑顔に
「3人とも、おデブにしてあげるから、覚悟しなさいよ うふふふ」
「え~。それは困るな」頬っぺた膨らませた
「その挑戦、うけてやるんだからね」
「望むところです」
みなつの期待した展開に揉めることはなく話はまとまった。
あいかは。宣言通り、メニューを開くと手あたり次第注文した。
テーブルの上は、全部食べてみたくなる色んな種類の甘い食べ物が埋め尽くした。
最初は夢中で食べていたが、半分食べ切ったとこで撃沈され、噴水広場に辿り着くと倒れこんだ。
吹く風が、季節を運ぶ穏やかな時間、お腹も膨れ眠気が襲う、花の香りがアロマ効果か、疲れた心と体を癒した。
村が貧困で苦しんでるのは、紅の魔女が食べ物を独占しているからだ。
少数ではあるが物々交換してくれる話もあったが、多くの村人が苦情を訴え、魔女の森に棲む魔女を退治してほしいと願ってる。
勇者は、貧困解決に依頼を受け討伐に向かった。
「信じられない。一瞬で半分消えた。めいなちゃん、一緒に来てくれない?」
「うん、心配だよね。いいよ」
研究を重ね、強度を増し、配置されていた30体のゴーレムは、全滅していた。
1体破壊するのも苦労する完成度だったのに信じられない。
仁王立ちしてる男の装備は、入手困難と噂されドラゴン一アーマーに神器ドラゴンスレイヤーを手にしてる。
「やっぱり君か、紅の魔女ユリ」
「また、全てを奪いに来たのね。ここは私が作り上げたのよ」
「君が、独占するから村人が困っているんだ」
2年前、種をまき、水を与え、時間をかけ作りあげた楽園を奪われた。
ひっそりと暮らしていただけなのに、彼の考える正義からしたら、村人の主張が正しく、私は悪なんだろう。
彼は、ドラゴンスレイヤーを持っている戦っても敗北しかない。
勇者が持つ神器、魔法が効かないのだ、しかも一振りで山をも切り裂くと聞く。
また、奪われてしまうのか・・悔しいが、前回戦って埋められない力の差を実感してしまった。
紅の魔女の腕を握る少女、震え怯えているように勇者には見えた。
「聞いてなかったが、少女まで誘拐したのか、許せない。討たせてもらう」
愛しい彼らをが砕ける姿みたくないのか・・ニャン太を召喚しなかった。
ゴゴ ゴゴゴォゴゴ 火柱の連続攻撃!一振りで消し去り、一瞬で間合いを詰め、ドラゴンスレイヤーを振り下ろした。
ひっそり暮らしたかった・・覚悟を決めたその時、猫型精霊が、ドラゴンスレイヤーを真剣白刃取りしていた。
「お友達の力みてみたかったんだ遊ぼうよ」
信じれない光景だったシールド貫通効果をもつドラゴンスレイヤーの攻撃が簡単に受けられてる。
竜殺しの神剣、そんなはずは、数十手交わしたが、猫型精霊には全く効かない
勇者は、ドラゴンスレイヤーを頭上に掲げると空から雷が落ち!パチパチと糸を引く、威力が跳ね上がったようだ。
その姿に違和感感じたのか、てくてくと歩いていき、勇者の顔を睨め付けると笑顔に表情をかえ、ぴよんと飛び跳ね近づくと!勇者の額のあたりの空間に手を伸ばし何か取り出した。
禍々しいが、眩しく光るクリスタルを手にしていた。
【我が、見えるのか何てことを】
「あら、こんにちは♡」
クリスタルは動揺していた・・呪いの存在に気が付かれるなど在りえないことだった。
見つかるだけならまだしも捕まるとは、力の源となる呪いのクリスタル、古代の技術、知られることは許されない。
精霊チャームは魔力を奪い、自らの力に変える。
【存在を知られることは・・ワアアアアア】断末魔が響きく 眩しかった光が薄れていき、力尽きたように砕け散った。
「あら、消えちゃった」残念そうに呟く
「ニャン太も奪われそうになったし・・めいなちゃん、怖い」
「ふふ お腹すきましたね 竜の話聞いたら食べたくなっちゃった」
可愛い顔で怖いことを言い出した・・付いて行ったら私のほうが餌になりかねない
「めいなちゃん、それはちょっと勘弁してください」
勇者は呪いが解け、ドラゴンスレイヤーは・神秘的加護が消え・・重い塊に、持ち切れず地面に落とす。
ドラゴン一アーマーが、ずっしり、のしかかり膝から崩れ落ちた立ち上がれない。
紅の魔女ユリは、優しく肩を貸すと家に連れて帰った。




