小さなキノコは香りよく大きなキノコは出汁が良い
『小さい!ちょっと!それ育ってなくない。とらないでよ。りのな』
『ぇぇ~~。とってもいい香りするよ♡絶対美味しいよ♡』
人の話を聞かないあやつと同じタイプか・・・
『はぁ』
そういえば、お昼まで起きてこなかったから置いてきたな。
彼女とは、きっと違う、わかるように説明しよう。
『火を通したら香りは飛んじゃうし。育った大きなほうが煮込むとコクの深い味が出るよ』
山のように積みあがるころには、空気が変わり、だいぶ暗くなってきた。
夢中な二人だったが、木々の中にひんやりとした風が流れだした。
ヒューゥン
身震いとともに現実に戻され、お互いに目が合った。
みなつは、自らの失敗に張り上げた声になる。
『わたしとしたことが、戻る時間が厳しいいわ』
『え・・・どういうこと?』
『暗くなると迷子になる地形で魔物もでる』
『そぉなんだ』
『わかってないでしょ?』
『うん』
りのなの素直で可愛らしい返事にあきれながらも、守ってあげたい使命感がわきだした。
『こんなことも想定して、準備してあるからまかせて、それに強いんだ私。』
『お、頼もしい』
『夜は危険だから、徹夜するとしていまのうちに日が暮れる前に少しでも寝ておきたいかな
食材はあるから、とりあえずご飯にしよう』
決断して速やかに準備にはいる、みなつの姿にみとれ、声が漏れる。
『ここが、調理場か ♡ お、調味料まで ♡ 切り方がきれい ♡ 女子力つよいな』
パンパン
『はい! 見惚れないで、手伝ってよ』
お腹を満たして温かい焚火の近くで仮眠にはいった。