ブログで語る、ボクのこと。(9)
「ただいまー」
「おっかえりー、ぱんぱかぱーん」
「うわ、何だよ。朝、すっげぇ具合悪いっていってなかったっけ?」
ウチの奥さん、朝はめっちゃ青い顔してたけど、どうやら回復したらしい。
よかったよかった。
おまけに、なんだか上機嫌のようだ。
「具合悪いの、ふっとんじゃうほどの報告がありますっ!!」
回復したのはイイが、なんだこのテンションは?
「報告? おお!! オレもお前に教えたいコトがあるンだよなっ!!」
「は? なにそれ、大事なこと?」
「おお、今、すっげぇ珍しいモン見たんだよ。なんだと思う?」
オレはネクタイをゆるめながら、ニヤニヤしていた。
奥さんは、片方の眉を吊り上げて、
「はぁ、どーせくだらないオチなんでしょ」
と、ため息をついた。
しかし、オレは自分の見たものを、自慢したくてしょうがない。
「桜だよサ・ク・ラ。 この真冬に『桜が咲いてる』のを見たんだよ!!」
「はああ? あんたね、帰るのが遅くなったのをごまかすにしてもねー? もうちょっとマシなウソつきなさいよねーっ!! くっだらないったらありゃしない。」
あれ?
驚くと思ったのに、奥さん、怒りだしちゃったよ。
それにしても・・・
「てめぇ、くだらねぇとはずいぶんだな。オレはウソなんかついちゃいねぇぞ!!」
「あー、あー、そうですか。人がせっかく大事な話をしようとしてたのに、そんなホラ話始められちゃ、こっちこそたまんないわよ。」
あ、「いー」とか、舌だしてやがる、あったまくるなぁコイツ。
「ウソじゃねぇっての、キレイだぜぇ? 明日、証拠を見せてやらあ」
咲いてるとこを直接見せて、鼻を明かしてくれるぞ、このアマ。
「あーらそう、それはイイ手だと思うわよ?」
「どういう意味だ?」
「この寒さだもん、凍るような寒さでさ? 一晩でしおれて散ってしまったコトにできるもんねー?」
むか。
むかむかむかっ。
「おっし、今すぐ案内してやらあ!! あったかい格好に着替えてきやがれ!!」
「あらあら、引っ込みつかなくなったわね、カッコわるー。」
「てんめー!! オレがウソついてなかったらどうするよっ!?」
「そんときはね、イーイことを教えてあげるわよ!!」
「このォ、さっさと準備しやがれ!! 車のっていくぞ」