ブログで語る、ボクのこと。(8)
「うそつきめっ!!」
やたらと煙草をふかしながら、オレは思わずつぶやいてしまった。
今日も、公園は静かだった。
この間と同じように、オレひとり。
ベンチにぽつんと座って、煙草を吸いながら、謎の『彼女』を待っている。
空は、澄んでいた。
しかし、またも待ちぼうけを食わされてるオレの心は、ふてくされて、濁っている。
結局、『彼女』は、姿を現さないようだ。
一体、どんなヤツが顔を出すのか、本気で興味シンシンだったが・・・
こんなオチで、ジ・エンドらしい。
ま、
現実なんて、こんなモンでしょ。
オレの身に起こった、ちょっとしたミステリ事件も、これで打ち切り。
謎はナゾのまま、何事もなく、やがてオレは忘れてしまうだろう。
そんな程度の事件。
オレはベンチから立ち上がり、公園のはしに立っている時計を見上げた。
「いけね、もうこんな時間か」
そういや、我が家の奥さん。
今日も、朝から具合が悪いようだったし、さっさと家に帰るとしましょうか、ね。
と、歩き出そうとした時、
ん?
オレは、視界のはしに、珍しいものを見つけた。
この冬の、寒空の下で、なんと『桜の花』が咲いているのだった!!
え?
まさか?
いや、でも・・・
たしかに、公園の片隅に、ひっそりと『桜』が咲いていた。
「へぇぇ!?」
めっずらしい。
オレこんなの初めて見たぜ。
憮然とした気持ちが、少しなごんだ感じになり、オレは公園を後にした。