ブログで語る、ボクのこと。(7)
「思い出せない? あんた、あたしを『うそつき』呼ばわりしたんだよ・・・?」
ん?
うそつき呼ばわり?
そんなことしたっけ?
こいつは、全然、ホントに思い出せない・・・
ていうか、
このニセモノ、いよいよホラを吹き始めたのか?
コンチクショー。
「はっきりいって、それで堪忍袋の緒が切れたのよね。だから、それ以降、あたしとあんた、口きいてないでしょ?」
会話してないのは確かだけど。
「空の話は、ま、よかったんだケドね。あんた『ずっと続くものはない。すべてのものは始まって終わる。終わったらそこから再び始まるんだ。』とか言ってたもん。それって、わかる話だったからさ・・・」
お、そういう話なら、オレ、普通にするかも。
しばし、沈黙。
「・・・でもね? 『うそつき』扱いされたことは、どうしようもなくショックだったンだよ」
「ごめん」
あ、思わずあやまっちまった。
「ごめん、思い出せないんだよな。どうしておまえを、うそつきだって言ったんだっけ?」
「もういいよ。過ぎたことだからね。ただ、あんたに、『ショックだったンだよー』ってコトだけ伝えたかったンだ」
やばい。
この展開は、相手が『落ちる』前触れっぽいぞ。
しっかし、不思議だ。
コイツ、ニセモノのはずなのに、ついつい話があってしまう・・・
もっと、話していたい。
心底、オレは思い始めた。
「な、明日、今度こそあの公園で逢わないか? お前がそんなにショック受けたんだったら、オレちゃんと謝りたいんだよ」
本心だった。
来るのが誰でもかまわない。
逢って、目の前で謝りたいと思う。
「あたしたちの友情って、あのとき、終わったのよね・・・」
うん。自然消滅。
「けど、終わったら、再び始まるのよね? あんたの理屈では」
「ああ、そうだよ、だから・・・」
次のカキコまでは、やたら間があった。
永遠に続くかと錯覚するほどの、長い長い、数分間。
彼女の返事は、
「再び、始めましょう。」
だった。
そして、
二度と、彼女からのメッセージが届くことはなかった。