ブログで語る、ボクのこと。(6)
いつのことだったろうか・・・
まだオレと『彼女』が、気軽に会話してた頃。
ある時、ふと、彼女が、しみじみとつぶやいたンだっけ・・・
雲ひとつない晴れた日に、澄みきった青空を見上げて、
「すごいよね、空って。あたしたちが生まれるずっとずっと前・・・原始の時代から、この色してるんだよ?」
その色を見つめて、
「ずっと変わらないんだもんね。きっと、この先もずっとずっとこの色のまんまなんだよ・・・」
その時、彼女は、オレをちらっと見て、一瞬、何か言いかけた。
ような、
そんな気が、する。
ぴくぴくっと、わずかに唇が動いたけれど、言葉は聞き取れなかった。
ただ・・・、
なんだか、不思議な瞳の色をしていたような気がした。
そう思った時には、彼女はまた視線を空に向けていた。
オレからは表情が見えない角度。
そして、心底しみじみと、ひとこと。
「このまま変わらないといいな」
ころ、と、
小石を転がすような、言い方だった。
しかし、ここでオレが言った言葉は、
「んなワケにはいかねーだろ、きっと」
だった。
だってよ?
「今やおめぇ、温暖化とか環境破壊が急速に進んでるじゃん? 空の色もよ、いずれは、青じゃなくて赤くなるとかいうウワサだぜぇ」
って、ホント、考えなしにフツーの会話のつもりで放ったオレの言葉。
これが、どうやら、彼女をモウレツに怒らせたらしい。
なんだか、ものすごい顔になって、黙ったまま『彼女』は帰ってしまったのだった。
・・・なんでだよ?
今、思い出しても、このやりとりで、何で怒り出すのか、まるで分らない・・・。
うーむ。
これを思い出すべきなのか?
画面の向こうにいる『彼女』は、オレにこの事件を思い出せと言ってるのだろうか?
「そういえば、オレ、お前を怒らせたコトがあったよなぁ?」
「へぇ? どのことを言ってるのかしら?」
「ほら、空の色がどうとかいうのを、オレが茶化したとき、すげぇ怒ったよな?」
「・・・それもあるけど、もっとひどい思い出があるんですけど」
むむ・・・
この思い出は、序ノ口なのか?
オレが一体何をしたと?
「思い出せない? あんた、あたしを『うそつき』呼ばわりしたんだよ・・・?」