ブログで語る、ボクのこと。(2)
すっかり盛り下がってしまったオレのブログに、久しぶりにコメントが寄せられたのだ。
嬉しかったねぇ。
しかも、
なんだか、聞いたことのあるハンドルネームだったんだよね。
昔の同級生のアダ名と同じなのさ。
って・・・どうやら、そいつ、本人らしい!?
驚いたねー。
この広大なネット世界も、意外とせまいもんだなぁ・・・
それとなくカキコをかわしてるうちに、
「このハンドルネーム、知ってるヤツのあだ名なんだけど・・・本人?」
「え? マジ?」
なんてさ?
一気に懐かしさがあふれちゃったよ。
突然、同窓会がはじまっちゃったようなモンだった・・・
そこからは、もー、ノンストップでカキコカキコ。
子供の頃の、他愛もない話で、盛りあがってしまった。
掲示板だってのに、これじゃ、もはやチャットだ。
気づいたらほぼ徹夜。
夜が明けかけていた・・・
いやー、楽しかった。
でも、朝になったらオレも日常生活に戻らなきゃいけない。
仕方なしに会話を中断。
目の下にクマを作ったすごい顔つきのオレは、
寝室から、もそもそ起きだしてきて、
「おはよー、なにぃ? 一晩中パソやってたのー?」
と、朝食を作りにキッチンに向う奥さんに、寝不足はいかん、と、お叱りを受けてしまった。
しかし、止まらなかった。
会社から帰宅すると、ソッコーで夕食を済ませて、即、ブログの更新。
するやいなや、
すぐに『彼女』から、メッセージが書き込まれてきた!!
びっくりだった。
そして、
楽しかった♪
その夜も、たっぷり会話を楽しんだ。
『彼女』とは小学校から高校卒業まで、一応、ずっと同じ学校に通ってたのだ。
懐かしい話題はいくらでもあった。
あのときはああだった。そうそう。
あのときはこうだった。え? そうだっけ?
気分がすっかり盛り上がって、
調子にのったオレは、ついに、言ってしまった。
「会って、話そう」
え?
奥さんがいる身なのに、異性と会う約束するなんてヤバかったかな?
だけど、そんな分別がつかないほど、オレは舞い上がってしまっていたらしい。
『彼女』もすんなりオーケーだった。
「あたしもね、伝えたいことがあったんだ」
このように答えてきた。
なんだろう?
伝えたいことって?
明日、会う場所を決めたので、今夜は昨夜より早めに切り上げた。
そろー、っと寝室に入ると、奥さんはベッドでマンガを読んでた。
「おや、今日は早いのね。早く寝た方がいいよ? 目が真っ赤よ」
そう言った彼女の顔色も、なんだかよくないなぁ。
「お前の顔も悪いぞ?」
って言った途端に、マクラがスッ飛んできた。
「誰の顔が悪いかっ」
「わぁ、暴力反対」
「冗談ともかく、なんだか調子がイマイチだからさ、あたしゃ先にどんどん寝るよ?」
「おお、仕事もムリすんなよな」
「そーね、たまには有給使うわ」
「そうしな、おやすみ」
「おやすみ」
ぱちん。
照明を消したら、すぐに眠りの世界に落ちてしまった・・・