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女神と歩む異世界譚  作者: 天ノ原 陽
3/3

初めての異世界

どうも天乃原陽です。それではどうぞ

2.新生活


"・・・さい。"


んん、誰かの声が聞こえる。まだ寝たいんだけどな〜。


"・・きなさい。"


それにしても綺麗な声だな。この声どこかで・・・あ、この声は


"起きなさい!"


「は、はい!」


大声で言われたので思わず飛び起きてしまった。


「ん?あれ今の声は」


メディス様の声だと思ったのだが・・


"まったくようやく起きたわね。"


また声がした!何処だ!?


キョロキョロ辺りを見渡すが何処にもいない。


"そこにはいないわよ。これは貴方達風に言うと念話、テレパシーというやつよ。"


テレパシー・・・と言うことはメディス様は先ほどの場所にいらっしゃるんですね?


"そうよ。これが貴方が望んだ私といつでもお話出来る特典よ。"


わぁすごい!・・・そういえばさっきから声にでしていないのに会話が出来てますね?


"当たり前よ。考えてもみなさい私と話す時に声を出さなくちゃいけないんだったら、貴方周りからはずっと独り言言ってるようにみえるのよ?それは嫌でしょ?"


それは・・・嫌だな。うん、ありがとうございますメディス様。


"分かればいいのよ。それじゃあまず状況の確認をしましょう。周りを見てごらんなさい。"


そう言われ辺りを見回す。


「・・・木ばかりですね。」


辺りは見る限り木しかない森だった。


"ええ、そうここは都市から少し外れた森よ・・・ごめんなさいねこんな所に転生ちゃって。"


メディス様が申し訳なさそうにそう言った。


いえいえ全然大丈夫です。しかし何でこんな所に転生させたのですか?


僕は疑問に思ったことを聞いてみた。


"あ〜えっとそれは・・・"


ん?ここまでで初めてメディス様が言い淀んでいる。まさかそんなになる程の理由があるのか!?


ごくっ!ど、どんな理由なんですか?


"・・・実は君の転生は本来行われないものだったのよ。"


えっ!そうなんですか!?


"ええ、これは私の独断で行ったものなの。だから他の神達に気づかれないように都市から離れた森に転生させたの。"


そうだったんですか・・・


そんな事をしてまで僕を・・・でも一体何故?


何故そんな事をしてまで僕を?


"えっ!え〜とね・・・ひ、暇だったからかな〜。"


・・・そんな理由で大丈夫なんですか?


"他の神にバレたら面倒な事にはなるわ"


つまり大丈夫じゃないと


バレないように僕も頑張らなくちゃ!


"・・・えっと、怒らないの?"


なんで怒るんですか?


"いやだって暇潰しに呼び出されたって言われたのよ?それで怒らないの?"


怒るも何も僕が死んだのは僕のせいですし、転生させていただいた事に感謝するとしても怒ることなんて何もないですよ。


僕はメディス様の言葉にそう返した。なにせ怒るような事が何もないからだ。


"・・・"


メディス様?どうかされましたか?


"はっ!な、なんでもないわ!さぁ気を取り直して状況確認をするわよ!大丈夫!貴方は私が導くわ!"


は、はい。


メディス様が突然元気になった。


“取り敢えず近くの都市にでも向かってみてくれる?”


近くの都市ってどっちに向かえば・・・


360度どこを見ても木しか生えておらず、文明を思わせる建造物はどこにもない。この状況で森を歩くのは自殺行為ではないだろうか。


“それなら周りに聞いてみればどう?"


周りって人っ子一人いませんよ!?


"人じゃなくて動物にでも聞いてみるのよ。"


ど、動物ってそんな某有名な人じゃないんですから。


"普通じゃ無理よ普通じゃあ。でも私言ったはずよ?私の力を付与したって。その力を使えば動物との会話なんて朝飯前よ!"


そ、そんなに凄い力が!一体どうすれば使えるんですか?


"ただ話しかければ勝手に使えるはずよ?試してみなさい。"


うーんよく分からないがやってみるか。そう思うと僕は歩きながら動物を探し始めた。すると


あ、リスだ!リスがいますよメディス様!


“ふふ、分かった分かった。取り敢えずそのリスに話しかけてみなさい。"


分かりました。・・・うーん何だか妙に緊張するな。


「あ、えーっとリスさんこんにちは。俺の言葉分かる?」


俺がそう言うとリスがいきなり周りをキョロキョロし始め最後に僕を見つめてきた。もしかして・・・


「僕の言葉、もしかして分かる?」


「ッ!しゃ!喋ったー!」


「いやぁぁ!喋った!リスが喋った!?」


僕の言葉にリスが驚き、僕もリスの言葉に驚いた。


な、何でリスが喋るんですか!?ここは不思議の国のアリスですか!?


“あははっ!全く可愛い反応するわね。言ったでしょ動物に話しかければ分かるって?"


た、確かに言ってましたけど・・・つまり動物と話せるようになったのが付与した力と?


“まぁ確かに動物とも話せるけど正確に言えば『万物と語ることができ、その声を聴き届けることができる力』、それが私の神としての力であり、あなたに付与した力よ"


「ば、万物と語れて、聴き届ける力。」


その、何て言うか壮大すぎて分からない力だ。


"まぁ難しく言ったけどつまりは意思のあるものなら例え生き物でなくても話せて、言葉が分かる。まぁあなたに付与できたのはそんな程度の力よ。真言とか言霊の力も付けてあげたつもりだったけど・・・付いてるかどうかよく分からないわね"


・・・じゅ、十分すぎますよ。これで言葉の壁は全く気になりますし、動物達にお願いして大道芸をやるだけでもお金が稼げますし!


“そう?そう言ってくれると嬉しいけど・・・それよりそのリス大丈夫?ずっとガタガタ震えてるけど?”


そう言われてリスの方を見るとメディス様の言う通りガタガタ震えていた。


「あ、・・・えっと怯えないでください。怪しいものじゃないですよ?」


「う、嘘だ!だってお前達って僕達の言葉が分からないはずだろ!?」


ごもっともです。普通わかる人間なんて殆どいないと思われます。


「確かに普通、僕達は話せませんが僕は話せるんです。僕はメディス様のお力をお借りしてるので。」


「め、メディス様!?本当、本当なの!?」


苦し紛れにメディス様の名前を出してみると、予想以上にいい反応が返ってきた。


め、メディス様!動物達にも知られてるんですね!?


“当たり前でしょ?何だって私、この世界じゃあ人間から動物達やそれ以外にも創造神の代弁者って事で知られてるんだから。"


創造神の代弁者って!?め、メディス様そんなに偉い神様だったんですね。


"まぁそこそこにね。それよりもそのリスに人里があるか聞いてみなさい?"


そうでした!では・・・


「本当さ、そこで君に聞きたいんだけどもこの近くに人間が住んでる所があるか知ってるかい?」


「人間?人間ってなに?」


「えっと僕みたいな生き物のことだよ。」


「それなら知ってるよ!案内するよ!」


「本当かい!?


「本当だよ!メディス様の使いなら何でもお手伝いするよ!」


そう言うとリス君は俺の肩に登り、案内をし始めてくれた。


メディス様パワー凄いですね!初対面でも信じてくれましたよ!


“ふふん、当然!・・・でも人間には言わないほうがいいわね。多分信じてもらえないもの。"


僕もそう思います。なので正体を言うのは動物とかだけにしておきます。


"懸命ね。さぁそろそろ見えてきたわよ。"


何が見えてきた・・・


「見えたよ!あれが君と同じ人間って奴がいるところだよ!」


リス君がそう言ったがあまり聞こえなかった。まるでおとぎ話に出てくるような大きな壁に囲まれてその中は建物が区分けして建っており、それを見下ろすかのように大きな城がある、そんな夢の世界に迷い込んだような景色があったからだ。


"あれがここら辺じゃあ一番大きい都。確か・・・王都オーディスだったかしら?"


「王都オーディス・・・」


ここから僕の人生がまた始まるんですね。


"そうよ。・・・さぁ見せて貴方が歩む第2の人生を。"


メディス様はそう言った。姿は見えなかったが笑ってるように思える。


これから始まるのは僕が、メディス様や色々な人達に助けられ、時には助けて歩んだ異世界譚。


ご覧いただきありがとうございました!次の話も見ていってください!

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