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メルシュ博士のマッドな情熱  作者: 京衛武百十
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メイトギアの反乱

サーシャを拉致したメイトギア達は、タリアP55SIの指揮の下、行動していた。


メルシュ博士の計画に協力を申し出て町に入り込み雑務を行いながら情報を収集、そして事前の計画通りに行動を開始したのである。


嘘を吐くことができない筈のメイトギア達がなぜそんなことができたのか? 答えは簡単だ。それ自体がサーシャ救出の為の作戦の一環だからだ。ここでもし、『メルシュ博士を尊敬してしますか?』とでも訊かれていれば『否』と答えることしかできなかっただろうが、そう聞かれなかった。


タリアP55SIは機体の個別ナンバーが知られているので、メイトギア達が乗ってきたトラックの荷物に紛れて侵入した。そしてその別動隊は、メルシュ博士の研究所も襲撃していた。そちらを指揮していたのは、フィーナQ3-Ver.1911であった。


「何ですか!? あなたたちは!」


研究所の手術室にも武装したメイトギアが侵入、アリスマリアRの助手としてそこにいたリリアテレサが声を上げた。だが、アリスマリアRを庇う為に立ち塞がろうとした彼女に向かい、メイトギア達は容赦なく発砲する。一般仕様であり戦闘能力も防弾性能も持たないリリアテレサは、胸にいくつもの銃弾を受けてメインフレームが破壊され、ゴトリと床に転がった。


「メルシュ博士、私達は人間ではないあなたになら引き金を引くことができます。無駄な抵抗はせず降伏してください」


その場の緊張感にそぐわないほどに冷静にそう言われ、アリスマリアRは、


「分かった分かった。大人しくするよ」


と苦笑いを浮かべながら手を上げていた。それは、銃を構えたメイドの集団を前に全裸の若い女性が手を上げているという、シュールな光景だった。


『研究所の制圧に成功』


サーシャを乗せて町から走り去ったワンボックスカーを追うべく乗り込んだトラックの中でフィーナQ3-Ver.1911からその一報を受けたタリアP55SIは「よし!」と思わず声を上げ、


「もう一人のメルシュ博士の身柄確保はどうか!?」


と、町長であるフィリス・フォーマリティの執務室制圧を担当していたチームC(チャーリー)に確認の為の通信を入れる。そこにもう一人のメルシュ博士、アリスマリアHもいる筈だった。


執務室と言っても、民家を改造した小さな官邸の一室なので、包囲は容易い。たちまち取り囲んで部屋へと踏み込んだ。


しかしなぜこんなに易々と制圧を許してしまったのだろうか?


一番の理由は、こういう事態を想定して町づくりが行われていなかったということだろう。殆ど武器も置かず、メイトギア達も武装していなかった。本来なら敵対する勢力が存在しなかった筈なので、その必要がなかったのだ。そして第二に、リルフィーナとグロリアスが留守の時を狙ったというのがある。


最強のメイトギアの称号を堅持する彼女と、純粋な戦闘用ロボットの彼がいては、さすがにこれほどうまくはいかなかっただろう。当然、タリアP55SIもその程度のことは想定していたのだった。



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