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メルシュ博士のマッドな情熱  作者: 京衛武百十
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研究棟設置

「あ、いい! そこもっと強く噛んで! あぁっ!」


CLS患者と化した本来の自分の肉体に地面に押し倒され、いかにも食い応えがありそうな乳房に噛み付かれながら、彼女はその刺激に甘い声を上げていた。いくらかじられようと、ロボットであるこの体には傷も付かない。人間の性欲を受け止める<ラブドール>と呼ばれるロボットをベースにしている為、元よりハードなプレイにも耐えられるように作られているからだ。


そんな彼女をリリアテレサは軽蔑しきった冷たい目で見ていた。


リリアテレサの刺すような視線がまた彼女を蕩けさせた。


「あっ、イ、ック。イクっっ、っ!!」


と、怪物となった自分自身に、真昼間の公園で襲われ、それを助手である少女に見下されるという異常な状況が彼女を昂ぶらせ、僅かな時間で軽くのぼりつめてしまったのだった。


ロボットにも拘らずその全身からは<汗>が吹き出し、彼女の股間はしとどに濡れていた。それはラブドールが元々備えている機能である。セックスを盛り上げる為の演出だ。汗に見える液体は生理食塩水であり、汗腺を模した肉眼では判別し難い小さな穴から必要に応じて分泌される。また、股間を濡らしたのは専用のローションだった。


「はっはっは、なかなか旺盛な食欲と言うか執念だな。食べられないということを理解するのには結構時間がかかるようだ。おかげで楽しめたが」


彼女が軽く絶頂を迎えた後、ようやく食べられないということに気付いたらしいCLS患者としてのアリスマリア・ハーガン・メルシュが離れたことで彼女はやっと立ち上がることができた。


しかししばらくするとまた噛り付いてくる。その様子を見て彼女は言う。


「どうやら記憶というものは定着しないらしい。生物と思しき動くものなら何でも捕食しようと襲いかかるようだな。よし、こいつのことは<CLSアリスマリア>と呼称しよう。略称は<Colalice(コラリス)>」とする」


CLSを発症し死んだ本来の自分を<CLSアリスマリア(=コラリス)>と名付け、生態の観察を続けることにした彼女は、リリアテレサに命じ、次の段階へと移行した。着陸船に積み込んでいた資材を下して組み立て、その場に簡易の研究施設を設置したのである。


力仕事などを行う為のロボット、レイバーギア二体も使って二日で完成したそれは、見た目はよくある少し大きめのプレハブ小屋であったが、その内部はさまざまな観測・分析を行う装置がぎっしりと詰まった本格的なものであった。自らの体とリリアテレサ及びレイバーギアのメンテナンスを行う装置と、必要に応じてCLS患者の解剖などを行う為の手術室まで備えていた。


その一方で、人間としての生活スペースは小さな休憩室のようなものがあるだけだった。何しろもう、彼女の体はロボットなので、人間としての生活スペースは必要なかったのである。



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