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メルシュ博士のマッドな情熱  作者: 京衛武百十
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町作り開始

<アリスマリアの閃き号>から降下したレイバーギアに命じ、まず商業施設を中心とした半径二キロを囲う柵を作らせた。もちろん、CLS患者を侵入させない為のものである。資材は周囲の工事現場や建築関係の会社の資材置き場から調達した。道具はもちろん、トラックや重機もだ。レイバーギア達は、まずは簡易な仮設のものを設置し、それを補強する形でしっかりしたものを作っていった。


CLS患者の侵入を防ぐだけならそれでも充分だったが、前にも言ったようにCLSはカラス以上の大きさの脳を持つ動物になら何にでも感染して動き回るようになる。人間が家畜として持ち込んだ牛やバッファローといった、大きさや力があり、かつ数が多い動物がまとまって押し寄せるとこれでは持ち堪えられないので、後で更に頑丈な壁を設置することになるだろう。


ただ、CLS患者や患畜は視覚によって獲物を捉えることが分かっており、ある程度の高さがある壁で外から見えなくするだけでもかなり効果はある筈だった。


さすがにレイバーギアはこの種の作業をする為のロボットなので実に効率よく迅速に柵を設置していった。しかも人間のように休む必要がない。メンテナンスは必要だが、それも一週間に一度行えば十分だし、基本的にはメンテナンスも満足に行えない環境での連続運用も想定されて設計されてもいる。


こうして二週間で高さ二メートルの柵が周囲の地形に合わせて設置され、新たなCLS患者が侵入しないように対策が取られた。その間にも商業施設内に残っていたCLS患者は次々とメルシュ博士の研究施設へと運び込まれ研究材料となった。


柵の設置が始まって一ヶ月が経つ頃には、柵の内側のCLS患者はすべて一掃されたのだった。


「お外、出てもいいの!?」


「柵の内側ならね」


生まれて初めて、建物の外を自由に歩き回れるようになったサーシャが一番最初にしたことは、メルシュ博士の命によりレイバーギア達が設置したCLSの犠牲者達の為の慰霊塔の前で手を合わせることだった。CLSは病気であり、CLS患者は危険な存在ではあるが、同時に単なる怪物ではなく悼むべき被害者でもあるということを、コゼット2CV(ドゥセボー)はサーシャに教えていたのである。故に少女には、死者を悼む感覚が備わっていたのだ。


商業施設に隣接するように設けられた公園で、コゼット2CVに見守られながら遊ぶサーシャを遠目に見ながら、レイバーギア達は、住宅街の住居を解体し、柵の内部、商業施設の駐車場に移設し始めていた。どれほどの住人が集まるのかは未知数だが、取り敢えず町の体裁を整えるという意味もあったのだった。

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