始まりの時2
悠介がすすめてきた件のゲームを調べてみると、願いごとが何でも叶うという話で持ちきりだった。やはり佐奈も何か叶えたいことがあって……
佐奈の部屋の片づけをしていると、見つけてしまったのだ。それが入っている箱を、『終焉の時』を。
こんな時に見つけるとはなにか縁でもあるのかと思い、いてもたってもいられずに調べてしまったのだ。
やってみたい。妹が見ていただろう世界、俺も見てみたい。実際に自分の目で感じたい。
「悠介、すまん。やっぱりあれ貸してくれるか。」
「ひろ? 終焉の時のことか?」
「ああ、ソフトはある。ハードがない。」
「ハードか。分かった。明日暇か? いつもの所で朝の10時に待ち合わせよう。」
「ああ。ありがとう。」
次の日、約束の喫茶店にいくと、もう悠介は来ていた。
「早いな。ちょっと遅刻かと焦った。」
「はは、まあな。」
「おう、お前ら今度は何をたくらんでるんだ。」
そう声をかけて来たのはお店の店主のビルさん。
「ビルさん。そんなじゃないよ。」
「お前らがここに朝からくるときは何かよからぬ事を企んでるときだからな。」
「今日はひろにゲームのハードを貸しにきただけだよ。」
「何のゲームだ。」
「終焉の時、さ。」
「あのうわさのゲームか。そうか、頑張れよ。」
「いや、別に願いがあるわけじゃ」
「ほい、ひろ。これがハードだ。頑張れよ。」
悠介にハードを借りて家に帰って来た。さっそく起動してみる。
ロード中を示すスピナーがくるくる回り文字が画面に広がる。
《ようこそ、終焉の時のせかいへ》
その瞬間、体が吸い込まれるような感覚に襲われ、そして、地に倒る。




