始まりの時
「教科書88ページ。助動詞は古文を読み解く上で重要だから必ず押さえておけ。」
「気をつけ。礼。」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に学校には喧騒がよみがえる。
ただいまー。って誰もいないのにな……
ピロリン。LINEの通知だ。誰からだろう。
「ひろ、これ知ってるか?」
友だちの悠介からだった。一緒に送られていた画像には『終焉の時』の文字。
ゲームのパッケージのようだった。
「これは?」
そう返すと、すぐに返事がかえってきた。
「このゲーム、二年前に発売されてるんだが、未だにクリア者がいないんだそうだ。」
「は。いくら高難易度ゲームって言っても一人くらいはいるだろ。」
「いや、本当にいないらしい。やるからちょっとやってみる気はないか。」
「どうして俺にすすめるんだ。自分ですればいいだろ。」
「ひろがゲームうまいからさ。」
「それだけじゃないだろ。そんな理由なら今日おくってくるはずがない。」
今日は、三年前俺が部活で家を開けていた間に空き巣に入られて唯一の家族だった妹を殺された日だ。
それを知っている悠介が今日に限ってたかだかゲームの話なんかをしてくるはずがない。
「……実は、このゲームにはある噂があるんだ。」
「うわさ?」
「ファイナルクエストのクリア報酬、つまりゲームのクリア報酬は”何でも”らしい。」
「どういうことだよ。」
「要するになんでも願いを叶えます。ってのが報酬らしい。」
「なにがいいたい。」
「ひろ、家族取り戻したくないか。」
「ばかを言うな! 死んだ人間は生き返らない。これは覆りえない摂理だ。」
「すまん。忘れてくれ。」
今日は佐奈の命日ということで、佐奈の荷物の整理をしていると大切そうにしまわれている箱があった。
なぜか無性に気になった。カギがかかっていたが、佐奈の持っていたカギで開いた。中には、




