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どの世界でも男は女に騙される

作者: 祭月風鈴

一話完結の怪談短編シリーズです。 

人物・背景などは想像力全開フル回転でお楽しみください。

 僕は日焼けをしやすい。


僕の彼女も日焼けをしやすい。


互いにサンオイルを塗りあった。


たわいない会話に笑い声がこぼれる。


僕らは相思相愛。


 別荘の窓から見える光景は最高だ。


青い海と白い砂浜がまぶしい。


僕は心を躍らせ彼女を誘う。


「じゃあ、行くかい?」


「うん」


「せーの、で行くぞ」


「いいよ」


「せーのっ」



 ジューッ!!



 別荘の外へ出た僕は


夏の日差しを浴びて焼けていく。


香ばしい匂いだ。


振り返ると、彼女は窓の奥から


無邪気な笑顔で手を振っていた。


「またヤラレた」


 僕達はドラキュラ。


身体が灰と化す中で僕は誓った。


「次こそ騙されないぞ!」


 そして再び


僕だけ200年の眠りにつく。


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