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第17話 「不可解」

 銀行に戻った冬川は、桜庭に今回の結果と秋葉から託された言葉を報告した。桜庭は「そうか……」と一言だけ呟くて黙ってしまった。しかし、その表情に変化はなかった。桜庭も二晴が敗れる可能性については既に織り込み済みだったのだろう。叱責の言葉もなければ、意外そうなそぶりすらない。どちらかと言えば、三鷹と秋葉のことを考えている様子だった。


 報告を終え、冬川はしばらく沈黙を待ったのち、恐る恐る口を開いた。


 「それで…アポの件はどうしましょうか?」

 「…そうだな…私のスケジュールを確認して空いているところにアポを入れてくれ」


 あまりにあっさりとした承諾だった。冬川は内心、驚いた。秋葉に「きっとアポは取れる」と言われていたが、半信半疑だった。それがこうもあっさり承諾するとは想像していなかったのだ。


 「わかりました。で、あの、橘さんという方は……?」

 「橘の方は私から連絡する。日時が決まったら教えてくれ」


 冬川の問いに、桜庭はわずかに頷いて答えた。冬川はよくわからなかった。秋葉は「まだ終わってない。これからが本番」と言った。その時は、それはYUZUNOKIの新体制に向けた課題のことを指していると思っていた。だが、どうも違う気がしてきた。それに三鷹と秋葉が何の目的で桜庭にアポを取ろうとしているのかも不明だ。しかし、桜庭は三鷹と秋葉の二人の意図を察しているようだった。橘という人物の名前も初耳である。自分の知らない何かが裏で動いている――冬川は、それが何であれ、見届けたいという気持ちを抱いていた。


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