私は来月、娘を捨てる。
娘と離れる決心。
最愛の娘
可愛い娘
唯一の我が子
もう少しでさようなら。
連日最高気温を更新する、せわしなく蝉が鳴く八月初旬だった。近所のママ友との諍いに疲弊し昔から私をよく知る知人に電話をかけた。
「もしもし?久しぶり、どうした?」
「あのさぁ、私の良いところ教えて?」
「え?何かあったの?!」
「うん、いいから教えて。。。」
「うーん。。。」
「やっぱり難しいよね、突然ごめん。」
「違うよ、何かあったの?」
「実はね、すぐ近くのママ友と色々あってもめてて、相手方の旦那さんは私に好意があるみたいなことを言ってくるんだけど、私なんかのどこがそんなに良いのか気になって。何もかもが私が悪いのかもしれない」
「え?そんな事はないよ!全ては男が悪い!あなたが気にする所なんいないよ!!」
「そうかなぁ。。。昔から私、自分に自身がなくて。。。でも、ありがとう。」
「ママ友と何があったの?」
「話せば長くなるよ。」
「いいよ。俺ちなみに今入院してるから。」
「え!?」
「色々あってさぁ、8月30日が一応退院予定なんだけどね、今、目が見えないんだ!」
「え!?どうして?!」
「だからそれは大丈夫だから、何があったか教えて!」
「うん。。。目と鼻の先程に住んでる間柄でね、家族ぐるみでとても仲良くしてもらってたんだよね。例えばさぁ、娘の誕生日会に相手の家族全員がうちに来てくれたりとか。お休みの日に相手のおうちでBBQをしたり。いつものように相手のおうちに私と娘がお邪魔してお酒を飲んだりもしてたよ!」
この先どうなるんだろう。
地獄行きかな。