あの人との再会
私たちの逃げた場所は、雷光雷歌の家とは真逆の方向だ。
国からかなり離れた場所で私たちは歩いている。
「それにしてもや。私たちは、どうやってGSに勝てばええんかなぁ…?」
「知らん。私が気になるのは、雷光のなんちゃらとGSの関係。あいつらは仲間なんか?」
「ど…どうでしょう…。ですが、両方とも私たちの敵です。」
GSに勝てるのか…。
奴らはゲームで言うチーターだ。
誰か……、GSの弱点でも知ってる人がいれば…。
そうして私たちが歩いていると、国が見えてきた。
おそらく空国の隣国だろう。
私たちは入国した。
やはりイマチオンカードは不要だった。
しかしこの国は凄い。
何が凄いのかというと、全員武装している…。
鎧に剣や銃。戦争でもするのか?
「ん?この国戦争でもするん?」
「ん〜?まぁGSでも倒すんやないか〜?」
「まぁ隣の国までGS来てるしな。」
「それにしても…。酒月の言っていた、人類奴隷計画とはなんなのでしょうか…?」
「どうだろ。この計画は人類を奴隷にすることだと思うけど、なぜ力ずくで完遂させないのか?あいつらなら可能なはずだ。」
「せやな〜?どんどん苦しめるのが好きな、ドSさんだったり〜?」
「だとしたら悪趣味だな。」
そんなことを話しながら国の中心に到着した。
その時だった。
誰かの声が響き渡った。
「敵は銀髪だ。殺せー!!」
おそらく軍の大佐だろう?
私は軍の向かう先を見た。
そこには銀髪の少女……。
いや、サングラスを付けている。
あんなん少女ではない。Gの仲間だ。
「おい、あれってGSだよな?」
「せやな。うちらも向かうで〜!」
そうして私たちも軍と共に進んだ。
そうして軍人たちは戦っている。
が、銃弾も剣も全て避けられている。
やはりGSは化け物の集い場だ。
しかし、軍人もプロだ。
大人数なのもあり、弾がかすったりはしている。
そして、大佐らしき人が命令をした。
「よし、そのまま撃ちまくり、動けなくなったら縄で縛れ。」
その時だった。
銀髪は消えた。
瞬間移動で逃げたのだろうか?
いや、違う…。
――上だ……。
そして銀髪は大佐の前まで来た。
「ほぅ。銀髪。俺の前に来るということは、死も同然だが。大丈夫か?」
「銀髪ですか……。私はエスタと申します。」
軍人たちは銃を下ろし始めた。
大佐ならエスタに勝てると確信したのか?
そして2人の戦いが始まった。
大佐は素手で戦っており、エスタも素手だ。
エスタは何度も大佐を蹴っている。
が、大佐は全く動かない。
体格が大きいのも影響していると思う。
「俺は七時之国最強だ。こんなガキに負けるわけ無いだろ。」
「そうですか。では、本気で行くとしましょう。」
そう言いエスタは、大きく地を蹴った。
その瞬間、目にも止まらぬ速さで、大佐を蹴りまくっている。
「化け物が…。GS…。GSだけはなぁ。許せない。許せるわけがない!!」
大佐はエスタの足を掴み、強く握り足を折った。
「まだ離さないからな…。」
エスタが顔を蹴りまくっている。
だが、全く動じていない。
その時だった。
GSのピンクが歩いてきた。
そう、酒月だ。
「エスタ。帰るわよ。」
ただ、ここまで追い詰めた。
帰らせるわけにはいかない。
そして、ひとりぼっちさんは銃を構えている。
――そして撃った。
狙いは酒月ではない。
エスタへのトドメだ。
が、見えぬ速さで弾丸を掴んだ。
「化け物が。」
「俺は大佐だ。さてと、次はピンクか?連戦だが問題はない。殴り殺してやる。」
と、大佐が言った瞬間だ。
――大佐は動かなくなった。
0.5秒ほどで倒したのだ。
生死は不明。
さすがにレベルが違いすぎる。
そうしてエスタと酒月は帰って行った。
お互い被害は全く無かった。
しかし、この国はGSに対する敵意が強い。
故に、GSに関する情報を知っている人がいるかもしれない。
「よし、GSについて聞いて回ろう。GSのメンバー、真の目的、弱点、そして奴らの住処だ。この4つを」
私の言葉を遮るようにハクリエさんが発言した。
「てか、バームートちゃんはよく喋るようになったなぁ〜。」
「あっ、すいません……。」
「いやいや、怒っとらへんで。嬉しいんや。」
「ならよかったです!」
「まぁバームートたんの言う通り、その4つを聞いて回りたいな……。よし、手分けして情報を集めよう。」
そうして私たちは手分けして情報を集め始めた。
そして8時間後。
辺りは真っ暗だ。
そして集合場所にみんな集まっている。
「では、情報を。」
「私から行くで〜。まず、メンバーは推定50人らしい。目的は誰も知らんかった。弱点はないらしいなぁ〜。住処は、GS星らしい。」
「なんやその変な名前の星?」
「GS星は、正式名称が不明やから、そう呼ばれとるらしいなぁ〜。」
「場所はどこだ?」
ハクリエは右側に指を指した。
「あっちの方向で、2個先の国らしいなぁ〜。」
「じゃあ行くか。」
というより、ハクリエさんだけで全ての情報が集まってしまった。
そして私は、何の情報も得られなかった。
というか緊張で話しかけれなかった。
「あの…ひとりぼっちさん…。今日は宿を探したほうが……。」
「私は問題ない。もし無理なら、後から来い。」
「ひとりぼっちちゃん…。あんた、少し焦りすぎちゃいます?」
「いや、焦ってなんかない。冷静だ。」
「私はバームートちゃんに合わせるわぁ。」
(ほんまは眠いから休んでいきたいけど。)
その小声は聞こえたが、もしここで休んでしまうと、ひとりぼっちさんが…。本当に一人になってしまう。
ん?
まぁとりあえず、今分散するのは得策ではない。
「私は行きます!」
「なら私も行きますわぁ〜…。」
「よし、決まりだ。」
そうして私たちは歩いている。
そして隣国に到着した。
もう朝になっていた。
「私は先に行く。限界なら、この国で休んでってもいいぞ。」
「わ…私は…。バームートちゃんに…合わせるわぁ……。」
「私はついて行きます!」
「バームートちゃん!?」
そうして私たちは歩いた。
20時間後。
もう辺りは真っ暗だ。
私たちは目的地に到着した。
この国からGS星に行けるらしい…。
星というくらいだから、宇宙にあるのだろうな。
「私はGS星を探す。ここまで来て休むやつはいないよな?」
「いえ、私は休んでいきます。GS相手に疲れた状態で挑むのは、得策とは思えません。」
「せやな。休も休も。」
「――そうか…。私は少し焦ってたかもな。」
「せやせや。はよ宿探そ。」
そうしてなんとか宿を見つけたが…。
「せやせや。お金持ってないかなぁ?」
「あ…………。ひとりぼっちさんは持ってます?」
「現実世界のお金なら…。」
もちろん使えるわけがない。
「あの…。GS星に…行きませんか?宿あるかもしれませんし…。ね?」
「バームートちゃんが疲れすぎて、GS星に泊まるとか言い出してしもうた…。」
「GS星だけは駄目だ。野宿してくぞ。」
「は…はい…。」
そうして道で寝た。
この国は道で寝てる人も多いし、大丈夫だろう。
そうして次の日だ。
しかし、昼くらいまで寝ていた。
そうしてGS星に行く方法を探している。
そんなときだった。
『ショッキングピールモ』が見えた。
「おい、あれって現実世界の店だよな?」
「せやな…。どうなっとるんや…?」
「行ってみましょう。」
そうして店に入った。
そこにはおじいさんがいた。
「おい、じじい。こことは別の世界にも同じ店があったんだが、説明してもらおうか。?」
「ひとりぼっちさん…。そんなにグイグイと行かなくても…。」
「現実世界では婆さんがやっとるわい。わしはこっちの世界じゃ。」
「そうか。」
「ところで、浜四季無波さんじゃないかのぉ?」
これはハクリエさんの本名だ。
このおじいさんは、何故か知っていた。
「知り合いですか?」
「いや〜…?知らへんけど。」
「このじじい…。心を読んで…!?」
「そんなことできんわ。無波さんやったら、可能なんやろうけどのぉ?」
「無波ちゃーん?説明よろ。」
「いや、ホンマに、こんなじじい知らへんて。」
「でもおじいさんは知ってるって…。片思い!?」
「いや、何の話だよ……。」
「もしかして…?」
「どうしたハクリエたん?」
「いや、なんでもないわぁ……。」
「そか。」
「あの、おじいさん。GS星に行く方法を知ってたりしますか?」
「正規ルートは知らんが、裏ルートとして、このマットに乗ると行けたりするのじゃよ。」
そう言いおじいさんはマットを出した。
てか裏ルートって…。言い方よ。
そうして私たちはマットに乗った。
そして…。ここは宇宙だ。
でも、、、息が吸える?
「ほう…不思議な空間やなぁ。」
「とりあえずGS潰すぞ。」
「心の準備。できています!」
そうして私たちは、こっそりと中へ入った。
国かは不明だが、GSの街を国と言っておこう。
ん?これが以下略ってやつか!?
しかしこの国は、凄すぎた。
大きな城と、建物が4件だけだからだ。
私たちは忍び足で歩いている……。
「君たち不法入国?」
「ふぁ!?」
「ひとりぼっちちゃん…。驚きすぎや。たぶんまだバレとらん。」
「さすがにバレてないよな。ハハハ」
と、ギャグ漫画のノリだが…。
普通にバレている。
しかも振り向くと、酒月がいた…。
「まて、酒月か。好都合だ。」
そう言い、ひとりぼっちさんは銃を構えた。
「黒無さん落ち着いて。」
静闇黒無。
ひとりぼっちさんの本名だ。
なぜ知っているんだ!?
「黙れ。ここで仲間の敵を討つ。」
「私の本名は酒月美鈴」
いや、匿名とか言いながら苗字名乗っとったんか…。
「酒月美鈴さん。悪いけど、消えてもらうで。」
「えっとさ、君たちレストランとか行かない?」
ん?
酒月美鈴はレストランに誘ってきた。
いや、これは誘拐の…。
う〜ん…。でもこんな回りくどいやり方するか?
じゃあ本当にレストランに…?
「私は行くけど〜?みなはどうするん?」
「敵と飯など断らせてもらう。ハクリエ。毒を盛られても知らないぞ。」
「えっと…。私もお腹が……。」
「とりあえず私たちの話を聞く気はないかな?」
酒月美鈴は、どうやら話があるようだ。
そうしてレストランだ。
席は4席であり、私の隣に酒月美鈴だ…。
気まずい…。
そして、ひとりぼっちさん以外は、注文して食べている。
「とりあえず、GSはみんなリーダーの指示で動いている。つまり私たちの怖い怖い脅迫も、リーダーの命令ってこと。」
「おい、お前、地球とGS星では、別人のような振る舞いだな。ふざけているのか?」
「この星では、みんな命令に従わないんだよ。だから、これがありのままの私ってこと。」
「つまり、リーダー消せばええんやなぁ?」
「どうだろ?無波たちは、複雑だからな。」
「とりあえず、リーダーに合わせてください!」
「それより、マッサージ屋あるけど行く?」
「私はいくで〜!」
「私は断る。まずお前らは、なぜ信用してるんだ…。」
「えっと…。では行かせてもらいます。」
「じゃあマッサージ屋まで案内するね。」
そうしてマッサージ屋…。
中に入ると…。
銀髪の……。エスタ!?
ん?
エスタは誰かと会話をしている。
「きのこは不要と言いましたよね?」
「いや、わいはなぁ…。きのこを育てて届けることが楽しいねん…。」
「あのですね、冷蔵庫がきのこで埋もれるんですよ。正直迷惑です。」
「えええ……。でも美味いだろ?」
「味ではなく量の話をしています。」
「冷蔵庫に入れて、きのこもカッチカチ……。」
たぶん意味深だ。
「あっ…あの〜?エスタさん…。」
「あっ、この間の大佐がいた国の…。」
「あっ、はい。あのときのです。」
「とりあえず、きのこさんは、帰ってください。」
「はいはい。」
そう言い、きのこ?さんは帰って行った。
「それにしても、みんな来てくれたのですか?」
「はっ…はい。」
「そうやで〜!」
「エスタ。あとは任せた。」
「わかりました。」
そうして酒月美鈴も、どこかへ行った。
そうしてマッサージが始まった。
私からだ。
まずは足かららしい。
しかし…だ…。
めちゃくちゃ痛い。
しかもマッサージの痛みじゃない。
「あの〜。私予約取り消しますわ〜。」
そう言いハクリエさんは、逃げるように帰って行った。
「イタっ…………。」
足の感覚が無くなった。
気持ちいというより、すごい痛みがする。
そうして私は気を失った――
目が覚めた。
周りにはひとりぼっちさん、ハクリエさん、と…。
見たことのない変な人だ。
髪は紫だ。
「えっ…どういう状況ですか?」
「いや〜、あのマッサージ受けなくて正解やったわ〜。だって骨外して、マッサージしとったんやもん。」
「え?」
私は吐き気がしてきた…。
「あと、ここは理論まかろんさんの家やで〜。」
理論まかろんさん?
この紫髪の人かな?
理論まかろん…。
これって明らかな匿名だよな?
ってそんなことより吐き気が…。
「バームートたん顔色悪いけど大丈夫?」
「理論まかろんさん…。トイレどこですか……??」
理論まかろんさんは指を指した。
その方向へ向かい、トイレで吐いた。
普通に関節外すとか頭おかしい…。
ん?今走ったけど、めちゃくちゃ軽い?
あのマッサージの効果…。まさか…ね?
そして次の日だ。
私はマッサージ屋へ来た。
「あの、昨日のマッサージは…。」
「関節マッサージです。人間は、骨が積み重なってできているので、骨と骨の間は負荷が大きいです。なので、そこが一番疲れているんですね。」
つまりそこをマッサージしたということか?
まぁとりあえず今日はリーダーに合うことが目的だ。
「それにしてもエスタさん…。GSのリーダーに合うには、どうすれば良いですか?」
「そうですね。大きな城があるのですが、そこの10階。つまり最上階にリーダーはいますね。」
「ありがとう!」
そうして私は城へと向かった。
なんというか…。
話のテンポが少し早すぎましたね(^_^;)
もうちょい中身作り頑張りま〜す。