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紅森の即興小説集 ~2015年から2022年~  作者: 紅森がらす
最終章(2022年12月15日挑戦編)
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当たり屋

制限時間:15分 文字数:506字

住所は辛気臭いあの団地を指していた。厭な気分になりながらトラックを向かわせる。


扉を力なく開けたのは、くたびれた女だった。俺はこれまた何年物か分からないエプロン姿のその女の夫宛てであろう荷物を渡す。やつれた顔を支える細い首筋に少しばかりの色気を感じる。

このおとなしい彼女はもしかしたら退屈な日々に、淡い不倫願望を抱いているかもしれないというのは、アダルトサイトの見過ぎだろうか。

女は震える手をそのダンボール箱に差し出したかと思うと、突如、ビターン!と空手チョップで箱を叩き落とした。

「はっ?」

俺は思わず声を出した。

「は? じゃないわよアンタ! メロンパン買ってきなさい!」

突然女に怒鳴られた。細い体のどこから出ているのか分からないでかさだった。

どういうことだ。もしかしたら、DV旦那が気に入らない物でも頼んだんだろうか。それとも旦那の憎き不倫相手の女から届いたものかもしれない。箱を持ち上げ、ラベルを確認する。

『フジテレビ トリビアの泉当選 金の脳プレゼント』

なるほど、メロンパン入れだからメロンパンが必要になったのか。

俺は納得した。

こうして、俺の団地妻パシリ生活が始まったのであった。

お題:団地妻の暴力 必須要素:メロンパン

2022年12月15日久しぶりの挑戦、これが最後!(たぶん)

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