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舞踏会

制限時間:15分 文字数:421字

カツン、とヒールが大広間に降り立つ音が響いた。

風のようなざわめきが広がる。

皆の注目を一身に浴びた貴婦人は世界の終わりのような一面真っ白な顔の中心に、地獄の闇のごとく黒々と生えるまつ毛を一瞬で立ち上がらせ、何もかも吸い込めそうな目をカッと見開く。

「さあ、わたくしと踊ってくださる方はいらして?」

――美しき譲り合いの連鎖の始まりである。

ロマンスグレーの紳士は隣の退役軍人に、後ろの伯爵に、その傍らの伯爵夫人に、うら若き令嬢に。

華やかな会場を一巡りして、最後に肩を叩かれたのはみすぼらしい小間使いの少女であった。

小間使いの少女は一歩、前に出た。

ただでさえ場違いな場に潜り込んでいた彼女は、社交界最高の大物である貴婦人を目の前にして立ち消えそうだった。

貴婦人は眉間に皺を寄せる。

「ふぅん?」

貴婦人は扇子を口元に当てた。静かに靴を放り投げる。

「あなたが靴を拾って、わたくしをおいかけてくれるのね」

いたずらっぽく貴婦人は笑った。

お題:気高い嵐

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