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発車

制限時間:15分 文字数:378字

時計を見ると、既に3時を回っていた。

俺は急いで飛び起きて着の身着のまま家を飛び出した。

結局告白出来なかった彼女は今日、旅立つ。

Suicaが無いのでポケットに手を突っ込んでやっと見つけたなけなしの金で切符を買い、階段を駆け上がる。

陽気な発車メロディーが息切れした俺の心臓に追い打ちをかけるように響く。

電車が走り出し、俺は窓に彼女の姿を見ようと目を凝らす。

あの横顔!

俺はホームを走り出す。まるで、映画の別れのシーンだ。

彼女は次の瞬間にでも俺に気づき、はっとして窓を開け、大声で別れを告げるだろう。

それが今生の別れになるとしても、俺が一生その場面を忘れなければそれでいい。

恋の終わりはそれでいい。

俺はこれ以上ないくらいのスピードで走った。電車と完全に並走出来ていた。

ただし彼女はずっとスマホに目を落としていて彼氏にラインを送り続けていた。

お題:遅すぎた心

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