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不思議の国の仙人
制限時間:15分 文字数:356字
このでこぼこした固い道をまっすぐ行けば仙人に会えるらしい。
お互い片言の英語でなんとか話を聞いたところによると。
半信半疑のまま僕は歩きだした。太陽が照りつけてじりじり僕を焼く。
太陽の真下には月が見える。こんな時に見えるはずはないので、蜃気楼だろうか。
眩暈がしそうな視界で足元を見れば、踏み締める地面が蕩けていく。
月のうさぎが吸い込まれる幻覚を見た。
僕もこのまま地面に足が取られ引きずり込まれてしまいそうだ。
「ワァー!」
僕は叫び声をあげた。周りには、もう誰もいない。
太陽が土の向こうへ消えていく。真っ暗闇をずり落ちて、たどり着くのは地獄だろうか。
ズルンっと音を立てて僕は向こう側へ引っ張り出された。
「うぇるかむとぅーあんだーわんだーらんど」
眼鏡をかけた仙人がうさぎを抱きかかえてウインクした。
お題:不思議な大地