表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/38

制限時間:15分 文字数:311字

応募しようとしている小説の内容すら思い浮かばず、行き詰っている私の前に少女は降り立った。

「僕を主人公にしてみなよ」

明るい藤色のセーラー服、頭にカンカン帽を乗せたその子を見た瞬間、涼しげで、ああ夏だなぁと思った。

大人とも子供ともつかない瑞々しい瞬間。中性的な美しさが、危うささえ覚える少女の一人称が「僕」であるのはぴったりだと思えた。

「付き合うよ、先生」

少女は私の肩をぽん、と叩いて、お猪口に新しく日本酒を注いでくれた。

「ありがとう」

私はお猪口から酒を飲もうとして、ふとそれを少女の口元に押し付けた。

「……早く大人になりなさい」

「……っ?!」

藤色の万年筆が机からぽとりと落ちた。

私はその日で筆を折った。

お題:僕と小説練習 必須要素:日本酒

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ