33 帰還
ミーは今焦っているニャ。コウイチの気配が感じ取れないニャ
コウイチが行方不明になった数日後、サキュバスが訪ねて来て、コウイチがヒイロ帝国に居ると知ったミーは全速力で向かったニャ
でも、帝国の神樹に邪魔されて一定距離から近づけないし、中の気配を探る事も出来ないニャ
帝国の神樹は何かがおかしいニャ。ヨルは何故放置してるニャ!
!! 見つけたニャ!
◆◇◆◇
僕たちは今、竜車でドルフィノへ向けて爆走中だ。
道なんてわからない。ひたすら南へ向かうしかない。
「矢吹君、昨日の夜はごめんね。私、暴走しちゃった」
「いいよ。僕だって命がけの戦いで気持ちが昂ぶってたし」
あゆみは申し訳無さそうだ。小柄な体をさらに縮こませている。
その隣には、バレー選手かと思うぐらい大きいカナさんが座っている。
カナさんのフルネームは『七瀬かなえ』隣のクラスの子だ。
カナさんと呼んでたら、カナで良いと言われて、それ以降はカナと呼んでる。
「しかし、なんで転移出来ないんだろうな。コレのせいなのかな?」
僕はアイテムボックスから出した白いポーションをなんとなく眺めていた。
「それなーに? 牛乳?」
「これがなんなのか解らないんだよね。僕的には怪しいグッズという認識」
カナは興味深そうに白いポーションを見ている。牛乳好きなのかな?
『コウイチーーーーーーーーーーーーー』
大地を震わせるような音量でみーちゃんの声が突然聞こえた。
「なに! 今の何?」「……」
「みーちゃんの声だよ。来てくれたんだ……。良かったぁ」
驚くあゆみと、震えるカナに大丈夫と言い聞かせてから、竜車を停めて外に出た。
そこには大きな狼の姿のみーちゃんが心配そうな顔で佇んでいた。
『コウイチ! 今まで何してたニャ!』
「転移失敗して帝国に飛ばされちゃったんだ。心配かけてごめんね」
『うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ』
三毛猫に戻ってスリスリしてくるみーちゃんを抱きしめながら僕もスリスリモフモフしまくった。
「ねぇ、その猫なんなの?」「かわいい! わたしにも抱っこさせて?」
「この子はみーちゃん。喋る可愛い三毛猫だよ」
「全然説明になってないけど……。確かに可愛い」
「説明は後でするよ。みーちゃんヨルバンまで僕たちを乗せてくれる?」
『おっけーニャ』
みーちゃんが再びライオンぐらいの大きさの狼に変身すると、あゆみたちは腰を抜かした。
落ち着かせてからみーちゃんに乗ってもらい、僕たちは光となった。
◇◆◇◆
「凄いね……。矢吹君の家」「おっきいーー」
近くの森から竜車に乗り換えて僕の屋敷に着くと、二人はかなり驚いていた。
それからが大変だった。扉から飛び出してきた嫁たちに泣きながらもみくちゃにされて窒息するかと思ったし。
ていうかちょっと失神したかも。
そして今は僕の部屋に全員集まっている。
ユリナとみーちゃんは僕の膝の上で、嫁さんたちは回りにくっついてる。
「改めて、みんな心配かけてごめん」
「ほんと心配したんだよコウちゃん。もう転移は使わないで?」「矢吹っちマジでウチら最悪を想像して涙止まらなかったし」
「そうだよ。みんなが居なかったら頭おかしくなりそうでヤバかった」「矢吹君は絶対帰ってくると唯は信じてましたから」
「お兄ちゃんが居なくなったらユリナ……」
「居なくならないから大丈夫だよ」
ユリナを撫でながら、ここにいる全員を見る。青山さんと赤坂さんは居るけど、この中には七星さんは居ない。
「今回の件は七星が何か関係あるって事なのか?」
モリモリはこの中に居ない七星さんの事で何か違和感を感じたようだ。
「いや、それは無いと思うよ。でも、後で話を聞きに行くつもり」
『ミーも一緒に行くニャ』
「それは頼もしいね」
「しかし帝国かぁー。俺的には悪い印象しか無いけど、どんな所だったんだ?」
僕は、見てきた帝国の印象をみんなに話した。反応は様々だったが。
「リリは帝都に行ったことが無かったから、そんなの初めて知ったよ……」
リリさんの話では税が高く、生活が厳しかったそうだ。周りの犠牲の元で帝都はあれ程の繁栄を成してるのだろうか。
ズンドル村という所はそれほど厳しい生活に見えなかった。村人も見窄らしくなかったし。
国というのは色んな側面ががあるから、一面だけ見て判断はできないかもしれない。
◆◇◆◇
「七星さんお話があるのですが、いいですか?」
「ええ。お待ちしてましたわ。どうぞお入り下さい」
みーちゃんを抱っこしながら七星さんの部屋に入ると、いつもの微笑みで迎えてくれた。
「単刀直入に聞きますが、このポーションは何ですか?」
僕はアイテムボックスから出した白いポーションをテーブルに置いた。
「何、と言われますとお答え難いのですが、それは私の体液です」
「はい? 血とか唾液とかそういうのですか?」
「そういう物とはまた別の物です。それを今から説明しますわ」
七星さんは目を閉じると、不思議な気配に包まれた。
気付くと、周りには沢山の妖精が飛んでいた。今この部屋は幻想的な空間になっている。
そして七星さんの目が開かれる。黒い瞳では無く、済んだ空のような綺麗な水色の瞳に変わってた。
『そういう事だったのか。何故貴様がコウイチにちょっかいかけるニャ』
みーちゃんは目の前にいる七星さんでは無い何かの正体を知ってるみたいだ。
「みーちゃんこの人は誰なの?」
『こいつはバルデュアス。神樹だニャ』
「神樹の精霊さんみたいな?」
『ここにいるのは精神だけニャ。動けない自分の代わりに人を依り代にして行動するニャ』
「えぇぇー? じゃあ、七星さんは乗っ取られてるの?」
「それは私が説明しますので、落ち着いて下さい。まず、人に入るためには本人の許可が必要ですわ。乗っ取りではなく融合している状態です」
「融合? 精神が混ざり合ってるの?」
「そう考えてもらって差し支えありませんわ。求める者が同じなので気が合いましたの」
「その言い方だと、バルデュアスさんとやらも僕を求めていたみたいに聞こえますが」
「その通りです。あなたに求婚されましたので、私はそれを受けたという形ですわ」
「僕は木の精霊さんに求婚した覚えないですよ?」
「エリオは私に精をかけましたの。それは求婚の意味を表しますわ」
「……もしかして、僕が神樹におしっこかけたというあの事件の事ですか?」
「そうです。尿ではないですけれど。エリオはその後死んで、矢吹光一として蘇りました。そして求める者が同じ同士で融合しましたの」
「理解しがたいけど、なんとなくは分かりました。それで、この白いポーションは何なのですか?」
「先程もお伝えした通り、私の体液です。樹液と言った方が解りやすいかもしれませんね。それと依子の魔力が混ざって出来てますの」
「さっき気付いたのですが、それをアイテムボックスに入れると転移できなくなるんですよ。何故ですか?」
「私の力と、ヨルの力は干渉し合ってしまうのです。ですが、転移失敗で帝国に飛ばされたのは偶然ですわ。それを見てヨルが停止コードを入れて使えなくしたのでしょう」
「つまり、白いポーションがアイテムボックスの力を邪魔しちゃったということですか?」
「簡潔に言えば、そういう事になりますわ」
「じゃあ、この白いポーションはお返ししますね。持っていても使い道が無いですし」
「是非お飲みになって下さい。アイテムボックスには影響ありませんので」
「飲むとどうなります?」
「依子と同じ力が使える様になります。飲んでのお楽しみですわ」
「なんか怖いので遠慮しておきます」
『飲んだ方がいいニャ。コウイチが強くなるのに越したことはないニャ』
「みーちゃんにそう言われたら飲まなくもないけど……融合したりしない?」
「あくまでチカラが上乗せされるだけですわ。生物として一つ上のステージに行けます」
「……でも、なんか怖いよ。ほんと大丈夫ですか?」
「危険であれば、この時点でヨルの横槍が入る筈ですわ。それが答えです」
「わかりましたよ。一気に飲んでやりますよ!」
僕はヤケクソ気味に腰に手を当て、一気に白い液体を飲み干した。
「お……美味しい! なにこれ美味しすぎる! もう一本飲みたい! ……あれ? なんかクラクラする……」
「おやすみなさいエリオさん」
◇◆◇◆
あれ? 知ってる天井だ。僕はいつの間に寝ちゃったんだ?
腕の中ではユリナが寝てるし、周りには恵たちも寝ている。
ユリナをなでなでしながら昨日の事を思い出してみる。あれは夢だったのだろうか。
ステータス見てみるか。
■■エリオ■■■
レベル 2045
種族ハイエルフ
年齢89歳
・アイテムボックス+8
・聖女
■■■■■■■■
何故かレベル1000以上も上がってるんですけど……。
あと聖女ってスキルが増えてる。聖女? まさか僕の相棒取れてたりしないよね?
よし、無事だった。
無事なら良いや、聖女のスキル見てみるか。
■■■■■■
聖女の癒やし
聖女の光
聖女のゆらめき
聖女の雫
聖女の秘密箱
■■■■■■
何々、とりあえず各スキルの説明を見てみよう。
聖女の癒やしは、俗に言う回復魔法のようだ。
聖女の光は、前に七星さんが言ってた通り、穢れを祓うスキルみたいだ。浄化スキル欲しかったから嬉しい。
聖女のゆらめきは、今まで行った事がある場所や、視認できるどんな場所にも行けるらしい。凄いスキル来ちゃったよ。
聖女の雫は、聖なる癒やしの効果の液体を作り出せるみたい。
聖女の秘密箱は、僕のアイテムボックスの劣化版ぽい。聖女の雫を作って保存して置く場所なのかもね。
なるほどね。七星さんは聖女のゆらめきを使って車に乗り込んできたり、帝国に仕入れに行ったりしてたのか。
ていうか、聖女の祈りなんてスキル無いじゃん! やっぱり騙されてたのね。
まぁいいか。一応七星さんの得体の知れない正体は解ったので。
でも、まだ何か隠してるよね。みーちゃんが何か言いたそうだったし。
考えてもわからない。二度寝しよ。
◆◇◆◇
「お兄ちゃん起きて! ごはんだよ」
「ふぁぁぁ……おはようユリナ」
僕はユリナに引っ張られるように食堂に行くと、みんな揃っていた。
今日は七星さんを含め全員居るな。あゆみが何か居心地悪そうにしてるのが気になるが。
「矢吹っちマジ寝過ぎでしょ。赤ちゃんじゃないんだから」
「寝る子は育って新しいスキルをゲットしちゃったからお得だったよ」
食後、七星さんにスキルの使い方や注意点を聞いた。早速聖女のゆらめきを使ってみたくて仕方なかったが、昨日の事もあるし転移を今日使うのはやめておこう。
あゆみは僕との関係は嫁たちには話さなかったみたい。まぁ、話せないよね。
そして、二人はカナの希望通り、海の家で働く事になった。
みーちゃんに乗ってドルフィノへ出発だ!
「カレーの匂い!」「美味しそう……」
この香りは誰もが惹きつけられちゃうよね。
二人を連れてお店に入り、シイリスさんに二人を紹介して正式に雇うことになった。
「二人はニ階のこの部屋を使ってくれる? ニ階に部屋は三つしかなくて、一つは僕の部屋で、もう一つは子供達が使ってるから、残り一部屋を二人で使ってもらう事になるけど」
「全然いいよ! 部屋まで用意してくりてありがとね」「あゆちゃんとなら同じ部屋で大丈夫だよ。お部屋ありがとね」
「ふう、一息ついたな。ユリナはトーマ達の所に行かなくていいの?」
「今日はお兄ちゃんと一緒にいる」
ユリナは僕のお腹に顔を擦りつけてずっと抱きついてる。可愛過ぎて絶対嫁に出したくないぞ。
なるほど。これが父親の『娘は渡さん! 絶対にだ』の気持ちだったのか。
ユリナを撫でながら二階の自室で休んでると、田中さんが部屋に訪ねてきた。
「矢吹ちゃんちょっといいかな」
「いいけど今はユリナ居るからね?」
「あー、それは後でまたヤリに来るからいいよ。話は先生の事なんだ。先生もここで雇ってあげてくれない?」
「それは全然構わないけど、何で田中さんがそれを言いに来たの?」
「矢吹ちゃんは知らないだろうけど私バカでさ、いつも先生に迷惑かけてたから何かしてあげたいんだよね」
「シイリスさんに話しておくよ。先生が望むならここで働いてもらっていいから」
「ありがとね矢吹ちゃん! んーちゅっ。じゃねー。あ、先生今下に居るから話してあげて」
田中さんはユリナが居るにも関係なくチューして戻って行った。お腹に顔をうずめてるからユリナに見られはしなかったけど。
ていうか後でヤリに来るのか。それはさておき、下に行って先生から話聞こう。
「先生は今何処で寝泊まりしてるんですか? あと、お仕事とかは?」
「安宿に泊まってるぞ。俺は錬金術のスキル取ったから薬屋でバイトしている」
「じゃあ、安定した生活できてるんですね?」
「どうなんだろうな。あいつらに連れ回されてた時に比べたら安定はしてるかもな」
「実はさっき田中さんが来て、先生を雇ってあげて欲しいと言われたんですよ」
「辛気臭い顔ばかり見せてるから田中に心配かけちまったな。今は大丈夫だ。でも何かあったら助力お願いしたい」
「わかりました。何かあれば遠慮なくどうぞ」
一応話はついたので席を立って振り向くと、髪を後ろで縛り、エプロンを付けたカナが居た。
「ママ……」
思わず僕は口に出してしまった。
「わかるー。カナちゃん今すっごいママっぽい。あははは」
「そうかな? 自分ではわからないよ」
「うん。思わずママーって言って胸に飛び込みたくなるぐらいママっぽいよ」
「矢吹君なら飛び込んで来てもいいよ。ほらおいでー」
「マ、ママーー!」
僕は人目も気にせずカナの胸に飛び込んだ。ユリナも一緒に飛び込んで、二人はしばらくイイコイイコされた。
ハッ……。振り返るとドン引きしてる先生と、ニヤニヤしている田中さんとあゆみが居た。シイリスさんはいつも通りだ。
咳払いしてカナから離れ、何事も無かったように去ろうとする僕にカナは言った。
「いつでも胸に飛び込んできていいからね?」
「はい。よろしくおねがいします」
僕はつい正直に答えてしまった。自分では気が付かなかったけど、僕はこういうプレイに憧れがあったのかも。
自分の隠された性癖に気付いてしまった僕は動揺していた。
悪いけどユリナはトーマの部屋に行って貰って、その後部屋に来た田中さんと貪り合う様に求め合って気を紛らわせた。
その後、お昼を海の家で食べて寛いでると、膝の上に居るみーちゃんが顔を上げて例のエルフの話を持ち出してきた。
『そろそろ行ってやらないと大変な事になるニャ。一度治療したなら最後まで責任持つニャ』
「大変な事って何が起こるの?」
『魔力が上がったと思って喜んでたら、すぐに元に戻って心を病んでるかもしれないニャ』
「そういえば安定しないとか言ってたよね。行くか……」
僕はユリナを連れてセイラへ飛んだ。
魔法学園は今日も生徒が訓練場で魔法の訓練を受けていた。
その一角でセーラさんとエリザベスさんと呼ばれていた金髪ツインの子が何かをしている。自主レンしてるようだ。
「もう一度です! 一度出来たのですから、もう一度出来ない理由はありません」
「ダメですよ。私はもうダメなんです。エリオ様に見捨てられてしまいました」
みーちゃんが言った通り、セーラさんは以前より痩せて表情も絶望感溢れている。
これは確かに放置は不味かったかも。セーラさん達の所に行こう。
「セーラさんお久しぶり」
「エ、エリオざばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
凄い勢いで走ってきたセーラさんに抱きつかれた。僕のローブは涙と鼻水でベチョベッチョだ。
「戻ってきてくれたんですね。エリオ様ぁぁ」
「うん。遅くなってごめんね。部屋行こうか?」
「は……はい」
急にモジモジし出したセーラさんがちょっと可愛かった。
「ハイエルフ様、少しよろしいですか? セーラさんが受けたという治療を見学させて欲しいのです」
「い、いや、これはエルフの秘伝なのでダメですよ」
「エリオ様さえ良かったらエリザベスさんに見せてあげて下さい」
「は? 何で? 何を言ってるのかわかってる?」
「わかってます。それに、何をしたかはエリザベスさんは知ってます」
「なんで話しちゃったの?」
「あの後、私は上がった魔力でエリザベスさんとライバルにまで成れたんです。でも、急にまたダメになって慰められてるうちに……」
「……まぁ、セーラさんがそれでいいなら行こうか」
また僕はセーラさんに連れられて女子寮に赴くのだった。
「そろそろ効きましたか?」
セーラさんが炊いたお香でユリナが眠るまで、エリザベスさんが一番ソワソワしていた。
「エリオ様、よろしくお願いします」
既に制服を脱いでいるセーラさんが僕に抱きつく。
エリザベスさんはベッドの端っこに座ってこっちを見ているのでやりにくいけどね。
そして治療が始まった。
……。
……。
「エリオ様ぁ……。愛してます! 愛してます!」
……。
……。
「エリオ様ぁぁ」
……。
……。
ちらっとエリザベスさんを見ると、一人でゴソゴソやっている。
おっと、これは凄い展開だ。
……。
……。
「もう我慢出来ない! 私も仲間に入れて!」
エリザベスさんがそう叫んで、僕とセーラさんの間に飛び込んできた。
……。
……。
「もしかしてセーラさんとエリザベスさんって、そういう関係だったの?」
「はい。すみません黙ってて」
「やっぱりそうだったんだ。なんか途中から様子が変だと思ってたよ。エリザベスさんは僕とこんな事して良かったの?」
「セーラさんが好きになった人に初めてをあげられたのですから本望です」
その後しばらく治療が続いた。
「エリザベスさん、見て下さいこれ!」
セーラさんは再び魔法を使えるようになって嬉しそうだ。エリザベスさんもとても嬉しそう。
その二人の様子を見て、僕はほっこりしたような、急に二人の異物になったような気持ちで帰路につくのだった。
週に一度は行く約束をさせられてしまったけどね。
◇◆◇◆
「聖女の光!」
僕の体は光で満たされ、光が消えると浄化スキル以上のスッキリ、サッパリを体感できた。
これはアレだよ。セーラさんに付けられた鼻水対策だからね。匂いで唯にバレないようにする為とかじゃないんだからね。
屋敷に入るとギャル二人が僕の所に走ってきた。なんだ? 嫌な予感がする。
「矢吹ぃー、めぐの許可出たから嫁に貰って?」「めぐちゃん説得するの苦労しちゃったよぉ」
とりあえず僕は二人をスルーして、寝てるユリナを連れて自室に戻るのだった。
この二人と居ると振り回されるので逃げるのだ。
逃げにに徹するのだ
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