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フルメタルライフズ  作者: 冬馬
旧一章
4/9

三話 再戦

 三話改変です。新たに一人キャラを急遽増やしました。一応初期案にいた人物なので組み込むのはさほど悩みませんでした。


 声の方に顔を向けるとそこにはオジサンの様にも見える渋い男が立っていた。ツンケンとした髪に、どこか古臭い雰囲気を醸し出す赤いマフラーと茶色いジャケットを着て、ジーパンを履いた男が話しかけてきた。

「あんたは…。」

「えぇとぉ?どちら様です?」

「「「えっ!?嘘だろ!?」」」

「んンン?ちょっと待って今思い出す。」

「いや、思い出すも何もツクモ、声でわかるだろ。」

「んー、ごめんレーション、全く分からん、お知り合いですか?」

「えぇ、本当に分かんないのかぁ?俺はジークだ。そこの二人は分かってた様子だったけど…君はツクモくんだったね?」

「あー言われてみれば確かにそうですね。えっとそのジークさんが俺たちに何か用があるのですか?」

「うん、さっきの試合前にチェッカーから君達の事を聞かされてね、手を貸してやれって頼まれたんだ。」

「あぁ!それで俺たちに声をかけてくれたんですね?ありがとうございます。」

「そうだね、それじゃ知ってると思うけどまずはちゃんと自己紹介しようか。俺は闘技場ギルド所属、ソロ活動しているジークだ!よろしく。」

「えぇこちらこそ。俺はパーティー名『クレイジーカレイドスコープ』のお飾りリーダー、ツクモです。」

「団員のレーションです。」

「同じく、カフィーです。」

「了解、パーティー名は分かったけど所属ギルドはどこかな?」

「所属ギルド?なんですかそれ。」

「あれ?知らない?」

「知らない。」

「あっしまったツクモにギルドの事教えるの忘れた。」

「おい、飲み物!そこちゃんと言っとかないと。」

「うーん、その様子だとまずは所属ギルドの登録をしに行った方が良さそうだ。ツクモくん、所属ギルドの説明は歩きながらするよ。」

「よろしくお願いします!」


 ジークはツクモに所属ギルドの説明と簡単な力関係を教えてくれた。

 まず初めに所属ギルドとはどういうものかという事。所属ギルドは、職業のようなもので大きく分けて四つある。

 一つは、軍事ギルド。プレイヤーが国を治めるためのギルドで、大きなもので、ここサーレンシティーを含めたガンラース大陸を治める軍事ギルド。「太陽の獅子」と、海を挟んで向かい側のジフドール大陸を治める軍事ギルド。「月の狼」という二つのギルドが今、大国を指揮している。

 お互いが四週間ごに行われるイベントの戦争に向けて準備が行われているとのこと。

「戦争はまず高い確率で起こると思うから軍事ギルドに入るならよく考えた方がいいね。」

「うーん、軍事ギルドか…。」

「それと残りの軍事ギルドはまた後ほどにでも。それと宇宙に出ると言う噂があってね、もしかしその戦争の結果が関係してるかもって噂だ。」

「宇宙かぁ、マップ広そう。」

「それは宇宙だしね?ツクモくん。」

「ツクモ、お前今の話理解してる?」

「大体、まぁ軍事ギルドはないわな。」

「基本は組織的な行動ばかりだし、自由に動きたいなら向かないしね、それじゃ次。」


 二つ目の所属ギルドは闘技場ギルド。

闘技場ギルドは、観客を楽しませ、自身を鍛えるためのギルド。闘技場ギルドに所属していると剣闘士となる。剣闘士となると闘技場での試合をするとき勝利報酬にボーナスがつき、さらにランクというものもあり、ランクに応じての報酬もあるようだ。それとジークのように一人で活動しているわけではなく自身でチームを作り、仲間と共に高みを目指す者もいるようだ。一番金回りの良いギルドでもある。

「これは俺が所属してるギルドだね。」

「ランク報酬って具体的にどんな物がもらえるの?」

「機体の装備だとか装飾品とかだよ。」

「それって他のギルドのプレイヤーも闘技場で戦って貰えるの?」

「大丈夫だよ。闘技場ギルドに所属してたらランクが上がりやすいなるだけだから、あと金持ちになれる…勝ち続ければの話だけど。」

「へぇ、闘技場ギルドは違うなぁ。」

「じゃぁ次だね。」


 三つ目は傭兵ギルド。

傭兵ギルドはソロで活動していたり、クランを作り大規模なクエスト攻略をしたりと目的が自由に決められるギルドで、クエストの報酬などに補正が付き、お金が稼ぎやすく軍事ギルドや闘技場ギルドよりも自由度の高いギルドとなっている。

「傭兵ギルドはNPCからの以外の依頼も受ける事があるんだ。」

「プレイヤー同士の交渉とか出来るんだねぇ。」

「そりゃ商業系ギルドがあるくらいだし。」

「大きなギルドとかパーティーの依頼は積極的に受けた方がいいよ。基本的に報酬がいいのが多いからね。」

「それって交渉とか自分たちでやらなきゃいけない感じですか?」

「うーんその場合もあるけど基本的には依頼書があってそこから仕事を貰ってくる感じだよ。じゃ次。」


 四つ目、最後の所属ギルドは盗賊ギルド。

盗賊ギルドは、盗みやPKに対してのメリットが多く蛮族プレイができる所属ギルドである。だがその分、賞金も賭けられやすく他のプレイヤーから狙われる事が多く、デメリットの方が目立つギルドである。盗賊は他のギルドを襲ってもデメリットはないが、他ギルドが盗賊ギルド以外を襲うとデメリットが発生する。ツクモ達が襲われたギルド「ピッグズ・バンディット」も盗賊ギルド所属なので逆に襲い返してもデメリットはない。それと盗賊が奪うものはランダムで決まり奪われた物は取り返す事が出来る。他のプレイヤーが取り返した場合期限がつき、期限を過ぎると自動的に元の持ち主へと変える。

「っと、これで大体言ったかな?盗賊ギルドはこんな感じだけど、好きなギルドはあるかい?」

「やっぱり盗賊ギルドはないなぁ。登録するなら傭兵ギルドかな?」

「そうだなそこら辺はツクモに任せるけど俺もやるなら傭兵かな、飲み物は?」

「俺も傭兵だな。」

「じゃぁ決まり!傭兵ギルドにする。」

「あぁ、それとギルド登録するとカードが貰えるからもらったら俺のところに来て、良いところに連れて行ってやるよ。」

「ん?分かった。とりあえずはギルド登録だね?」

「うんうん、って話をすればついたよ!ここが所属ギルドの登録やその他もろもろをする場所、『ソルラの塔』まぁお役所みたいな所だよ。」


 ソルラの塔は円柱形の塔で何百階層とありそうな巨大な建築物だった。

中はツクモが想像していたよりも広く、服屋などの店も多くショッピングモールとしての要素も兼ね備えていた。

「中広そうとは思ってたけど…思ってたよりだなぁ。」

「田舎から来たお登りさんみたいな事言ってるんだけどツクモが。」

「こら!カフィーみちゃいけません。」


 ツクモ達は受付で所属ギルドとメンバー登録をし、何も書かれていない不思議なカードを手渡される。

「これがジークが言ったカードかな?」

「そうじゃない?カードというかただの変な模様が入った鉄板にしか見えない。」

「それじゃぁジークの所に行こうか。」


 三人はジークの待つ所へと行き謎のカードについて聞くとニヤついた顔で「ついてこい。」と一言だけ述べて、ツクモ達をソルラの塔の地下へと連れて行く。

目的の場所に着くとそこは戦艦の発着場だった。

「さぁて、ガチャの時間の始まりだ!」

「ガチャ?こんな所で何をガチャるん?」

「戦艦をガチャる。ちなみにリセマラは出来ません。」

「戦艦ってここにあるような奴か?」

「そうだね、戦艦について説明はいるかね?」

「はい!先生教えてくださーい!」


 ツクモ達がジークにそれぞれ質問するとジークは簡単に説明し始める。

1、戦艦とは?

 戦艦とは移動拠点である。装備や機体を収納しておく場所であり戦艦自体でも戦闘が行える。そして宿を取らずに帰る事が出来る『ホーム』でもある。

2、戦艦内で何ができる?

 戦艦内では機体の修理、戦艦の改造、自分の部屋の模様替えなどが出来る。娯楽の類も買って配置もできる。

3、戦艦って誰でも持っているの?

 小型艦なら誰でも持てるが中型や大型戦艦は誰でも持っているわけではなく何かしらのギルドに所属し最低でも三人パーティである必要がある。

4、戦艦VS戦艦での基本的な戦闘スタイルってどんなの?

 まずは自身の戦艦を守る重要な役割を持つ『ガーダー』を最低でも1人は決める。『ガーダー』の基本的な動きはシールド内に入ってくる敵の排除及び敵艦からくる攻撃の阻止。そして戦場の把握、撤退や攻め時を決める重要な役割。そして次に戦艦の操縦士の役割はとにかくシールドとシールドバッテリーの残り残量を気にすると。シールドのゲージがなくなれば即座にシールドバッテリーを使用し、シールドを回復させ、出来るだけ敵艦に主砲を当て敵艦のシールドを削るかという事。後のあまりは適当に敵艦にダメージを稼ぐでも味方の援護につくでも構わない。とにかくどれだけ自分の戦艦を維持するかが肝である。

5、シールドってあるうちは無敵なの?

 シールドがあるうちはどんな攻撃も受け付けないわけではなく至近距離、つまりシールドの内側に入り本体にダメージを入れる事が出来る。だがその場合、至近距離での戦闘になる為戦艦で特攻よりも小回りの効く機体での戦闘がオススメされる。

6、戦艦ガチャは何回でもできますか?

 ガチャは初回の一回だけであとは戦艦本体は買う事になる。パーツなどはガチャで引く事ができる。

7、戦艦の種類はどのくらいありますか?

 種類としては、大型艦、中型艦、小型艦があり基本的には地上走行型戦艦が多く水中や空中などの戦艦は数が少ない。

「知りたい事はそれくらいかな?」

「うん!わかった!」

((あっこれツクモわかってない奴だ。))

「OK、理解できたなら説明はこれくらいにしてさっさと戦艦ガチャしますか。」

((すみませんジークさん、うちの子全く理解してない様子ですけども。))


 レーションとカフィーのそんな心の声はジークに届くはずもなくツクモとジークは話会っていた。

「ツクモ。カードは持ってるな?」

「うん。これどうすんの?」

「まずはそのカードの裏に書かれてる番号のハッチに行く。」

「了解、えぇと。十番ハッチだね。」


 それからしばらくツクモ達は歩いて。十と書かれているハッチの前に着く。

「ここかな?」

「そうみたい。」

「よし!ガチャするか。」

「んじゃ、ちゃっちゃかガチャタイムっと行きたいのだけど…どうやるん?」

「カードに画面があるからスマホみたいにタップで画面が立ち上がるだろ?」

「はいはい、画面を立ち上げて…おっなんかロードしてる。」

「そのロードが終わったらガチャが出来る。同じパーティーに入ってるメンバーでもガチャを引けるけど。」

「あっ!じゃ俺じゃなくてレーションかカフィーどっちか引く?」

「いやツクモが引けよ。」

「俺もカフィーと同じ意見。」

「じゃ俺が引くよ?おっ!来た来たそれじゃ、ポチッとな。」


 ツクモが懐かしい掛け声と共に画面をタップすると、ハッチにホログラムの多種多様な姿形をしている戦艦がルーレットのように変わるがわる映し出される。ルーレットが止まるとホログラムの戦艦は実体化し現れた。

「これは…。」

「思ったよりでかい。」

「あっ、これまた面倒事に巻き込まれそうな。」

「ハァ…。」

「面倒事?」

「とりあえず中に入るか」


 ジークとレーション、カフィーが一つ溜息を吐く、ツクモにはどう言うことか分からず、とりあえずジークの言うとうりに自分達の戦艦の中へと入っていく事にした。ツクモはジーク達の言葉が気になり彼らに自分が出した戦艦がどういうものかを聞く。

『PF03』正式名称は『planet・fairy03』フェアリーシリーズの三番艦。水陸両用中型戦艦、このゲームの中では火力は大型艦に匹敵するほどであり小回りも小型艦並みに効くという高性能な戦艦だが、プレイヤー間である面倒事の種になるような物の噂があると言う。

「その面倒ごとが、人工知能、俺らは『ホムンクルス』や『人工知感脳プログラム』そう呼んでいる。面倒な厄介事の種があるっていう噂の船がこれだ。」

「何?その…じんかん何とかってやつ?」

「「「えっ!?」」」

「ツクモおまっ!中学のとき授業でやったろ!なんで知らないんだお前は!」

「毎度ニュースでも取り上げられてるほどの話題なんだけど。」

「あぁ、それ社会の授業だっけ?日本史以外興味無かったから寝てたわ。」

「その割には日本史の点数悪かったみたいだけど?」

「いや〜、そんな過去の話は置いといてね?じんかん何とかについて教えてよ!」

「ハァ、人工知感脳っていうのは…。」


 レーションがツクモに一つの授業を行い始める。ツクモは気付けば(あれ?なんで今、社会の授業をやってるんだろう?)とか思いながらレーションの授業を聞いていた。

人工知感能とは別名『ソールイジェレクト』や『ホムンクルス』などと呼ばれている人工的な人間の感情の事である。人工的な人の肉体に感情や知恵、感覚植え付け感情を持った『人間』を作り、人材不足の改善のための労働力、愛が欲しい人、子が作れない人のためのすがるところにしようと考えて研究されているプロジェクトで人の感情の解析、身体の再現の研究続きで全く実用化には至れていないはずのもので、人工的な人間の人権はどうなるのかという問題は解決しているが、他の問題が山積みで研究が進んでいない事や、ある一種の陰謀論などの事柄からこう呼ばれていたりする。『ゴーストプロジェクト』と、だからこその厄介事の『種』ゴーストプロジェクトのはずの人工的な人間プログラムが一般に発売されているゲームのある特定の戦艦に付属されていのかという事、それが不気味であるという事をツクモに懇切丁寧に説明しているレーション。ツクモがそれを理解しているかと言うと。

(全っっっく、理解できん。)


 こういう事なのだ。それを大体察してか想定してか、レーションは簡単に噛み砕いて説明した。

「だから国が運営するような問題がなんで一般用家庭ゲームに出て来てんだよって話わかる?」

「何となく理解した。つまりあれだ、さほどデカくない企業が、国でやっている規模の事業をなんでやれるのかって事ですかい?」

「そう!だからきな臭いし面倒くさそうて事!おk?」

「おk!」

「まぁあくまでもプレイヤー間の噂がって程度だけど。」

「いや噂程度で済む話じゃ無くなって来たかも。」


 ツクモ達が授業しながら内部を見て周り最後に操縦室に行くと一人の女の子が遠い目をしながら真っ暗な部屋の天井を見つめていた。

ツクモ達が恐る恐る足を踏み入れるとスイッチも入れていなのに明かりがつき女の子に気づかれる。

「やっと来ましたね?貴方達が私のマスターですか?」

「「「Oh……。」」」


 女の子はツクモ達に話しかけ、笑顔を見せた。それは本当に度かからどう見ても人の女の子でしかない、そこにプログラムや機械的なものなど一切感じさせなかった。

 女の子の容姿は、黒に近い紫色の髪に夜空の様な藍色の瞳を持ち服装は紫をベースとしたパーカーと短めのスカートを履いている。

その女の子の質問に対してツクモが答える。

「えっとマスターかはわからないけど少なくとも君を作った親ではないよ。」

「ふふ、そう言う風に捉えましたか?」

「えっ?」

「いやツクモそれくらい向こうさんもわかってるだろうよ、今聞いてるのは自分の所有者つまり、この船の所有者を聞いてんだよ!馬鹿め!」

「あぁ、そう言うことね、じゃこの船の所有者って…。」

「オレチガウ。」

「……。」

「オレコノフネダシテナイ。」

「えぇぇぇぇぇ!、マジかこれ、俺なのか?嘘〜ン。」

「「ソウダ!コンナメンドクサソウナコト、ツクモニオシツケヨウ。」」

「うぇ、マジかい、なぁカフィーお前こういう可愛い子とか好きだろ?なぁどうなんだ?」

「いいとは思うけど好みじゃないし、それに…問題事抱えてるのは却下。」

「レーションは?」

「俺は面倒事を抱えてあたふたしてるツクモを見るだけでいいです。」

「アッハイ、これは諦めた方が良さそうですね。はい!え〜と自分が今日から君のマスターです。」

「わかりました。名前は何と言うのですか?」

「えぇとこっちの方の名前でいいよね?」

「はいそれで結構ですよ。」

「了解、俺はツクモ、傭兵ギルド所属、パーティ名『クレイジーカイレイドスコープ』のお飾りリーダーです。よろしく。」

「えぇよろしくお願いしますツクモ。」

「えーと…君の名前は?」

「そうですね申し遅れました。私は…ヨゾラです。」

「そうか、じゃよろしくね?」

「はい、よろしくツクモ、皆さん。」

「じゃこっちも自己紹介しないとな、俺はカフィーよろしくな。」

「俺はレーションよろしく。」

「よろしくお願いします。レーション。カフィー。」


 自己紹介を済ませたツクモ達は、まず戦艦での部屋割を決める事にした。

「俺は右手側真ん中の部屋がいい。」

「カフィーがそこに行くなら俺はその右手斜め前の部屋で、レーションは?」

「うーん、部屋は適当にツクモの反対の部屋でいいよ。」

「ヨゾラは?」

「私はツクモと同じ部屋で大丈夫ですけど。」

「それはどうかと思うけど…。」

「そうだよね、それに部屋はまだまだ沢山空いているし、好きなように選べばいいよ。」

「大丈夫、大丈夫、もし他にメンバーが増えて来たらそん時考えればいいよ。早々急にメンバーが百人とか増えないしゆっくりと過ごすといいよ。」

「了解です。だったらレーションの部屋の隣でいいよ。」

「よし、とりま部屋割終わりで、これから修行ですけど…ジーク先生は何をされてるので?」

「この戦艦の武装チェックとシールドセルの残量チェック。」

「てか勝手にパーティでもないジークが動かせるんか?」

「いや、それは無理。ジャックってスキルはあるみたいだけど俺は持ってないし。ただパーティーじゃなくてもフレンド登録してると情報くらいは見れるよ。」

「「「へー。」」」


 ジークは操縦席に座りモニターと睨めっこしていた。

「うーん残念。」

「残念?」

「そう、コイツを上手いこと使って豚共を狩るつもりだったけどアイツらがいる森林地帯では使えないみたいだ。」

「あーそのつもりで戦艦ガチャ引かせたのね。」

「だけど使えないとなると罠の準備と作戦だが…まぁそれは後で何とかなるでしょ、それとあともう一人くらいなんとかならないか?」

「うーん、どうだろう?なるような〜ならないような〜。」

「できればあと一人は欲しいんだが…他の奴でも誘うか?うーん。」


 ジークがそうぼやいた時、レッサーからツクモにメールが届く。 メールには『今から行けるけど、どこにおる?』と書かれていて、ついでにレッサーの容姿も送られてきた。容姿は緑髪のショートで青と白をベースとしたサイバーなコートを着ていた。

「あと一人なら何とかなりそうだよ。」

「おっ!やったじゃん、もしかしてだけどレッサーの奴か?」

「うん、今から会いに行こうと思うけど一緒に来る?」

「「行くに決まってるだろ。」」


 レッサーのいる噴水広場へ向かう一行。ツクモがレッサーを見つけ、ジークやヨゾラの事などの事情を説明した。

「うん、うん。よく分からん事がよくわかった。でもまぁとりあえずその〜なんだ…ピッピカパンツだっけ?。」

「ピッグズバンデットね。」

「そう、それ!そいつらを倒せばいいんか?」

「うん、一緒にやってくれる?」

「いいぞ、どうせ俺もクレイジーカレイドスコープ?長いなぁ、クレスコでいいや。クレスコのメンバーなんだし関係がないわけないだろ?」

「ありがとう、助かるよ。」


 そうしてツクモ達の特訓が始まった。敵との立ち回り方やレベル上げそして、連携して戦う特訓をし三時間が過ぎた頃。

「レッサー!前からカフィーとレーション。」

「了解!ツクモもは後ろで援護射撃よろしく。頼むから間違っても俺を撃たないでくれよ。」

「わかってる!」


 ツクモ達は新しく機体の装備を追加をし、レベル上げはチェッカーから貰った消費アイテムに角笛を吹くとランダムで15体のモンスターが出現する物がある。それを使いレベルを上げ、装備を新調する事が出来た。ツクモの機体はメイン武器が左腕にパイルバンカーを装備、スラスターが初期の物から変更され以前より交戦能力が上がた。サブ武器でC75と言う大口径の実弾型マシンガンを装備している。ちなみにツクモのパイルバンカーはチェッカーから貰ったアイテムで鉄の箱を開けたら出て来た物だ。

 カフィーはメイン武器をメイスからヒートネイルに変更し、光熱の爪で切り裂く仕様となっている物だ。そして機体の装甲を重装甲にし防御力を上げスラスターも変更し、機動力も確保した。サブ武器はコイルリボルバーという電磁武器に変更された。

 レーションは軽装甲なのはそのままで、スラスターと武器の変更にとどめており見た目は変わっていない。メイン武器がマグロの見た目をした打撃系の両手武器を持ち、サブ武器にスターボーガンと言うビーム系の武器を背中に背負っている。最後にレッサーだが、メイン武器は光熱を帯びた短剣が二つ、スラスターをツクモ達よりも一段かい良い物を買い、サブの武器は買わなかった様だ。そしてスキルは限界駆動レベル2と、敵を連続で斬りつける乱舞を習得していた。


「機体の操作にだいぶ慣れて来た見たいだし連携も取れてきてる。そろそろやれるだろ?」

「うん、じゃ行くぞぉ。」

「「「了解。」」」

「それと…あの、ーツッコもうと思ってたのいいですか?レーション。」

「ダメです。」

「それでも僕は言おう。サブにボーガンはわかるが、何でメイン武器がマグロなんだよ!」

「あぁん?舐めんなよツクモ、このマグロさんはな!今俺の武器の中で一番火力あんだぞ!」

「ちなみにそのマグロさんは何処から手に入れたんですかね?」

「あぁ、レベル上げの時、二足歩行の腕付きマグロいただろ?」

「あぁ!あのキモいやつ。名前は…パブアンだっけ?」

「そうそう、そいつのレアドロップ品。」

「へー、モンスターからも武器は落ちるんだ?」

「マグロ取った時調べたけどモンスターからのドロップは低確率見たいだな。」

「さて、雑談はそこまで俺が手つだえるのはここまでだけど頑張れよ!それじゃ、作戦考えよっか!」

「「「「はーい。」」」」

「じゃぁまず…。」


 そんな感じで少し脱線した話をしながらダラダラと作戦会議がが始まった。

作戦の内容は、二チームに分かれて行動し敵を分断させる。チームはレッサーとツクモ、カフィーとレーションという構成だ。そしてツクモのチームがまずスモーカーヘッドの仲間二人をスモーカーヘッドから引き離す。一機になったスモーカーヘッドをレーションのチームが相手をする。その他にもクレイモア地雷やショックワイヤーなどの罠を仕掛け準備を整える。

「よーし、準備はこのくらいかな?じゃ俺は一足先に街に帰ってるから。」

「えぇー、やっぱジークは一緒に戦ってくれないの?」

「当たり前だろ!これはお前らが売り買いした喧嘩だ。俺の出る幕無いのはわかるだろ。」

「それにツクモお前、作戦にジークが居ないんだからそんくらい気づけよ。」

「ちぇ〜、ジーク居たら楽勝だったろうに。」

「俺が居なくても今のお前達なら普通に勝てると思うぞ、ここらに居る様な初心狩りは基本機体のスペック頼りな奴らが多いし。」

「それにこれだけ準備すれば勝てるでしょ。」

「おい!カフィー、それフラグ。」

「あーそれと、どれだけ準備しても負ける時は負けるから、まぁ、頑張れ。」

「了解です。」


 そしてツクモ達はジークと別れ森の奥へと向かった。コロダナ大森林奥地ツクモ達の標的であるピッグズバンデットは獲物を探して森の中を徘徊していた。先頭にはスモーカーヘッドが、それに続くように二機の取り巻きが付いている。ツクモとレッサーはまず取り巻きをスモーカーヘッドから引き離し、レーションとカフィーはツクモ達を追おうとしたスモーカーヘッドに背後から奇襲を仕掛けてが、回避されてしまった。

「チィッ、案外デカイ見た目に反してすばいやいのなコイツ。」

「動けるデブでとか嫌すぎる。飲み物これどうしようか?」


 レーション達がどう動こうかと考えていると、スモーカーヘッドからの通信が来る。

「おい!お前らいきなりなんだよ!」

「何だって言われても、そうだなぁ、お前に売られた喧嘩を買った人としか言えない。」

「はぁ?何ビギナーがイッキッたこと抜かしてんだよ。まぁいいお前らサクッとヤッてお仲間さんもホーム送りにしてやるよ。」

「いいよ、やってみろよ。だけどホーム送りにされるのはお前の方だがな。」

「飲み物、ここまでカッコつけてやられたらダサすぎるな。」

「嫌なこと言うなよ。」


 先手で攻撃を仕掛けたのはカフィーだった。カフィーはコイルリボルバーでスモーカーヘッドの動きを止め、レーションがすかさずマグロハンマーで殴りかかる。だがダメージ自体は微々たるものであまり聴いている様子はない。

スモーカーヘッドはレーションが距離を取ると同時に機体全体からスモークを噴射し煙の中へと消える。

「チェッカーの情報どうりの硬さ、そして行動パターン。次は遠距離攻撃のレールガンだな、レーション!奴がレールガン撃ったら右へ側面に回れ俺は正面から行く。」

「了解!」


 カフィーの読みどうりレールガンでの攻撃が二機に向かって放たれるがそれを回避しレーションは指示どうり右側面面へ回りスモークが晴れたところで、近接へ切り替えたカフィーとタイミングを合わせ攻撃を仕掛ける。だが2人の攻撃はスモーカーヘッドに防がれる。レザーエッジと呼ばれるチェーンソー型の武器で二機の攻撃は防がれた。そのままスモーカーヘッドは二機を弾き飛ばし、レザーエッジで切りにかかる。レーションはなんとか防げはしたが多少なりともダメージが入り、カフィーはまともに攻撃を受けてしまった。

「痛ったいのくらったなぁ。」

「どうにかあの防御を掻い潜る方法は、うーん。」

「おい!配給物!そっちに向かってくるぞ!!」

「ダァーもう。鬱陶しい。」


 レーションはレーザーエッジをマグロハンマーで受け止め、そのまま突き返す。スモーカーヘッドは体制を崩し、その隙をカフィーに刺される。

「ナイスだレーション。一気に責め立てるぞ。」

「おk。」


 カフィーはレーションが作った小さなチャンスを見逃すことなく、スキルの限界駆動を解放し、スモーカーヘッドの予測を遥かに上回る速度で懐へと潜り込みレーザーエッジを切り飛ばし、レーションがスモーカーヘッドを地面へと叩きつける。スモーカーヘッドの体力は半分を示す黄色ゲージなっている。

(このまま押せばいける。だけど俺の体力も2分の1、早めに決めてツクモ達に合流しないとな。最低、俺はここで相打ちになってもレーションだけはアイツらのところへ送らないとな。)


 カフィーがそう考えていると地に付しているスモーカーヘッドの機体が赤く光出す。それ見た事のある光だった。光の正体はジークも使っているスキル、限界駆動の上位互換スキル『覚醒』のスキルだった。

「マジか!?さらに面倒くさくなりやがった。」

「レーション!下がれ、俺が前に出る援護に回ってくれ。」

「お前らぁ…チョーシ乗んのもいい加減にしろヨォ。」


 スモーカーヘッドの機体が立ち上がり、持っている武器が変化していた。レールガンは発射口が閉じ鈍器へと変わり、サブ武器はガトリンが左腕に付いているフィストバレルという物に変わっていた。スモーカーヘッドがガトリングをレーションに向け放つ。レーションは緊急回避を発動させ回避する。だが回避した隙をスモーカーヘッドは見逃さずレーションへ、元レーションガンであった鈍器で打ち飛ばす。飛ばされた先には岩の壁がありそこへ叩きつけれる。レーションのHPバーは黄色よりさらに下の赤色にまで達し、コックピットではランプが鳴り響いている。

「レーション!?」

「大丈夫だ。にしても、なんてパワーしてんだよ。コイツ相手ならツクモの方が良かったんじゃ。」

「文句を言うのは後だ、いまは…この頭の悪い脳筋に集中しないとな。」


 レーションは自動修復で機体を修復していて、あまり攻めれない、その合間をカフィーはカバーをしながらスモーカーヘッドをギリギリ凌いでいた。レーションの体力が黄色になる頃、カフィーにも危機が迫っていた。カフィーの武器はコイルリボルバーが弾切れ寸前になっていた。近接攻撃を仕掛ければパワー負けしてしまう。スモーカーヘッドはその事をわかっていて近接戦へと持ちかける。カフィーは一か八かの賭けに出た。スモーカーヘッドの猪のような猪突猛進の攻撃を真っ正面から受け、弾数の無いコイルリボルバーをスモーカーヘッドのメインカメラである頭部へ向け放ち破壊する。頭部を破壊されスモーカーヘッドの攻撃はカフィーの真横をかすめる。すかさずカフィーはヒートネイルで切り裂き、レーションが限界駆動を発動させ、マグロハンマーで殴り飛ばす。スモーカーヘッドの機体は先程のレーションが同じく岩の壁がへと叩きつけられ機体が光の粒子となり消えていく。レーションの画面にはスモーカーヘッドがさっきまで使っていた機体が手に入ると同時に賞金である50万という数字が映し出されていた。

「さっきの仕返しだ…スゥゥハァァァ、疲れたァァ。」

「お疲れ、終わって早速で悪いがツクモ達の方へ向かってくれ。俺はこの体力じゃ足でまといだ。回復しても多分間に合わん。だから自動修復持ちのお前なら向かいながらでも回復できるだろ。」

「わかった。カフィー、お前は船に戻るんだな?気をつけろよ。」

「わぁってる。大丈夫。」


 レーションはカフィーと別れツクモ達の元へと向かい、カフィーも無事に森を抜け、船へと帰還した。


 さっくりキャラ紹介


闘技場ギルド所属『ミスター闘技場』

キャラ名 ジーク 

闘技場支部所属の『ミスター闘技場』、ブルーメタルロボティックにおける上位プレイヤー、その中でも1、2を争うトッププレイヤー、ツクモ達とは、『スクープキッド』の団長である。チェッカーの紹介により、知り合いになり、『クレイジーカレイドスコープ』を世話のかかる弟のように見ている。

機体名「ヘラクレス」別名「ビースト」最強の機体。気合いで動く。

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