3話 情報屋
今回は早めに出せませた。嬉しい。
細かいですが少し設定を変更しました。タンク(ロボット)とタンク(盾役)が混ざるのでこれからは、戦車型とタンク(盾役)と分けて書きます。
書くときにザクタンクやガンタンクに引っ張られ過ぎました。好きな物に入れ込みすぎると同じ物にしたくなるのは、趣味とはいえ物書きとしては良くないですね。
出来るだけ抑えてやっていきます。
(絶対どっかでまたやらかすと思います)
ネオンの看板が目立ち街の中で一層賑わっている酒場で、三人の青年達は机を囲んでどんよりとした空気を発していた。
メンバーの一人、カルーアが手を組み肘を机に乗せ真剣な面持ちで声を出す。
「狩場が無い」
先の戦いでツクモ達は謎の集団に奇襲されツクモが囮になる形で危機を脱した。
しかし、問題は解決してはいなかった。
コロナ大森林以外での狩場は素材や報酬が乏しく、ツクモのデスペナルティーであるレベルダウンのせいか他の狩場ではロクな成果を得られていなかった。
「ばあぁあか! もぉう! 何なんだよ! アイツら。」
「はぁ仕方ないよ、こうなったらコツコツレベル稼いで別の街にさっさと行くしかないよ。レーションさんはどう思いますぅ?」
「どうするったってなぁ、それが簡単に出来ないから此処でうだうだやってんだろぉん」
「森にあの害虫共がいなけりゃなぁ…あっオイ!ツクモそれ俺の!なんだけど!」
「あっすまん」
ツクモ一行はヤケになっているのかテーブルに置かれた山盛りのパスタやその他のおかずをを取り合う様に食べていた。
そんな時、一人のプレイヤーがツクモ一行へ近づいてきた。
見た目はゴーグルがついた探偵帽の様な物を被り、青年の様で糸目にモノクルをかけている。服装は暖かそうな茶色いセーターにマフラーをつけていて、ごちゃごちゃと懐中時計やカメラの小物がついた茶色のコートを着ているスチームパンクな様相の男性だった。
「やぁ!君達、ちょっといいかな?」
「え?あっハイ、どうぞ」
ツクモは戸惑いながらも男を空いていた自分の隣の席を引いて誘導する。男の頭上に表示されるプレイヤー名にはチェッカーと書かれている。
チェッカーはツクモへ頭を下げて席に着いて自己紹介を始める。
「まずは…初めまして、僕はチェッカー。情報屋ギルド所属、クラン『スクープキッド』のリーダーだよ。よろしくね」
「よろしくです。えぇと…自分はツクモでそっちの二人がパーティーメンバーのレーションとカルーアです。」
「ドモ…」
「どうもです…」
「怪しい者じゃ無いからあまり警戒しなくて大丈夫。っていうとかえって怪しいか…ま、まぁいいさ! 実はさっき君達の話がちょっと聞こえてね、君達がさっき言ってた奴らってコイツらかな?」
そう言ってチェッカーは何枚か写真を懐から取り出す。その写真には先ほど戦った機体が写っていた。
「!?」
「当たりの様だね。実は僕は彼らを追っていてね。色々迷惑してるから早く〆ておきたくて、少し助けてくれないかい?」
「いいですよ」
「オイ! すみませんちょっとタイムいいですか? …ちょいこっち来い」
チェッカーは両手を前に出し「どうぞ」とジェスチャーする。それを見てカルーアがツクモを引っ張って連れて行く。レーションも交えてコソコソと話し合う。
「オイ、なに勝手にノンタイムで引き受けてんだバカ」
「えっ?ダメだった?」
「ダメも何もアンタまだ詳細なんにも聞いて無いでしょうに」
「レーションの言ってるのもあるが、まずは相談しろバカがよ」
「あい、すんません。で、どうします?」
「取り敢えず内容を聞こう、まだ初心者の俺らに頼み事とか絶対何かある」
ツクモ達は席に戻り話し合いを始める。チェッカーはまず初めにツクモ達が依頼を受ける気があるのかを尋ねた。
「内容次第です。自分達はまだ初心者です。手に負えない様ならその依頼は受けません、てか受けれません。あとなんでアイツらを追っているのかも教えてください」
「それもそうだね、じゃまずは『なぜ彼らを追っているのか?』からいこうか。僕達も依頼を受けて彼ら…【猛進する蛮族】を追っている。でもそれだけじゃなくて僕のクランも被害を受けていてね、中々に鬱陶しいのさ」
「大変そうすね」
「そうなんだよぉ、何が一番面倒かって彼らは初心者狩り(ビギナーハンター)でね、僕ら見たいな高レベルプレイヤーが近づくとすぐに逃げるんだ。逃げ足が速くてほとほと困ってしまってね、ここで色々考えてたら君たちの話が聞こえてきてね。声をかけたんだ」
「そちらが受けている依頼はなんなんですか?」
「うーん、あんまり他者に依頼内容を話すのはよく無いんだけど…仕事の内容に被るから話しちゃうか…」
チェッカーはクライアントからの依頼を細かに説明してくれた。
ボアズバンディットはチェッカーの依頼人のクランからレアな機体を盗みそれを使い、かなり派手に暴れているとのこと。依頼人のクランはかなり大きく有名であるため、動けばすぐにバレて逃げられてしまう。そこでチェッカーに機体の奪取、拠点の調査を依頼をしたのだという。
しかしチェッカーも高レベルプレイヤー、動けばすぐに逃げられてしまうため、低レベルのプレイヤーに声をかけるがことごとく断られたようだった。
「頼む!もう君たちしかいないんだよぉ」
「うーん…自分らに勝ち目ってあるんですか?その盗まれた機体ってかなり強かったんですけど…あとどうやって機体を取り返すんですか?」
「そこら辺は大丈夫! 僕が全力でサポートするよ! 機体は彼らを倒してくれれば回収が出来る仕様だよ!」
ツクモはカルーアやレーションへ目をやる。
二人は何かを話し合いツクモに頷く。二人から了承が出たツクモはチェッカーの依頼を受けた。チェッカーは嬉しそうにツクモの手を取り力強く振る。そしてチェッカーは依頼内容の最終確認をする。
「それじゃ依頼内容のおさらいだ。僕達からの依頼はボアズバンディットの討伐及び指定の機体を回収。依頼報酬は50万Gと彼らにかかっている賞金全額と、こちらが受けている依頼の20%の譲渡でいいかな? 入手した機体はこちらに渡してもらうけど、他に手に入れたなら高く買い取る事もできるからね」
「ありがとうございます。それでお願いします」
「ありがとうは僕のセリフだよ、こんな面倒な依頼を受けてくれて感謝するよ。これから僕は君たちを最大限サポートするためにちょっと行ってくる所があるから4時間後またここで落ち合おう」
「はい、分かりました」
「本当君たちには感謝しかない、お礼とは言わないけどこれを君たちに、序盤に役立つアイテムだ」
チェッカーからツクモ達にアクセサリーが手渡される。それぞれ違うアクセサリーでツクモにはドッグタグ、レーションには翠の宝石でできた耳飾り、カルーアには懐中時計を渡して足早に去っていった。
「行っちゃった。二人とも何もらった?」
「危機感の能力が大幅に上がる耳飾り」
「中、遠距離攻撃に中の補正がつく懐中時計、ツクモは?」
「HPとスタミナの最大値が大幅に上がるドッグタグ」
「それぞれに合ったアイテムだ」
「コレ結構レアなやつでは?」
「良くこんなんポンと渡せるなぁ」
ツクモ達はチェッカーに言われた四時間後まで街を散策したり買い物を済ませたりし、時間を潰す事にした。
指定の時間まで暇を潰したツクモ達は再びチェッカーと酒場で落ち合った。チェッカーは満面の笑みで個室のテーブルにツクモ達を案内する。
チェッカーはテーブルに表示されているメニューを注文してツクモ達と話し合いを始める。
「こういう事は食べながら楽しく話そうか、取り敢えず作戦とこれからのプランを練ってきた」
「チェッカーさんは戦闘には参加しないんですよね?」
「うん…僕が出ると奴ら逃げちゃうし、僕は今回君たちの裏方だね、でも大丈夫! 君たちが彼らに勝つための作戦をしっかり考えてきたから! 題して、『技量と罠で押し勝つ』作戦!」
どこからかドンドン! パフパフ!と音が聞こえてくる。
チェッカーは机の中心からホログラムディスプレイを出し説明を始めた。
「作戦名が直球なのは置いといて、まずは彼らの情報からいくね?最初はタンク担当の戦車型、彼は遠距離と近距離両方をこなす。レベルは30ほど…えぇと、武装はメインが盾とロンパイアという大刀を片手で扱ってくる。サブは肩からのキャノン砲に両手はガトリングに持ち替えてくる。弱点は取り回しが遅いのと旋回速度が遅いから側面に弱い事が目立つね。基本、彼らは初心者狩りをするためにわざとレベルを下げているんだ。だから技量と立ち回りさえ覚えれば勝てない事はないはずだよ」
「技量と立ち回りねぇ」
「不安しかない奴が一人いるんだよね」
「こっちみんな」
レーションとカルーアはツクモを見て眉を顰めた。
チェッカーはふふと笑い、話の続きを始めた。
「技量と立ち回りは特別講師に話をつけてある。問題はないはずだよ。多分。じゃ次ねアタッカー担当の人型の機体、彼は超近接攻撃特化。高周波ブレードの大剣使い。レベルは30ほど、持ち替え武器は2丁のハンドグレネードガン。武装は少ないけどそのぶん攻撃力が高く速度も速いしスタミナの持ちもいいから油断はしちゃいけないよ。弱点は装甲の薄さかな?」
「コイツに貫かれたんだよなぁ、俺」
チェッカーは最後の標的の機体をホロディスプレイに映し出す。
その姿は真っ黒な重装の人形機体であった。体から伸びた太い管がいくつか手に持っている巨大なレールガンに接続されてる。残る管は背中からウネウネと生えて動いている。メインカメラは蜘蛛のように複数の目がありその姿はまさに異様であった。
「最後のこの機体に乗るのがリーダー、コイツがまぁ厄介なんだ。」
「この機体が盗まれたって例の機体?」
「そう。レベルは40ほど、武装は見ての通りの大口径レールガンと10連ミサイルポットが一門。武装は少ないけど装備に特殊な効果があって、機体本体には特殊なスモークを散布する機能がある。レールガンにはそれを吸収し、一撃の威力を上げる機能がある。それに加えてレールガンには2つの機能がある。近接と遠距離を切り替える事が出来る。」
「近接と遠距離を切り替える?」
「レールガンの砲門が閉じている時は鈍器のように振り回してくる。砲門が開いている時は遠距離攻撃が飛んでくる。砲門を壊しても油断はしないでね。あとは背中の管だけど本来これも武装として機能するはずなんだけど、レベルの問題でコイツは機能しない、だから気にしなくていいかな」
「ミサイルの方は何もないんですか?」
「うーん特にないね。特別、珍しい物じゃないよただ再使用までは早いみたいだからそこには注意かな、さて…サッと言ったけど質問とかあるかな?」
ツクモ達は一通り資料に目を通し驚く、たったの数時間でこれだけの情報をチェッカーは集めて来たという。資料にはボアズバンディットの巡回ルートやログインの時間などが記されていた。ツクモは(これが上位の情報屋か…)と軽くチェッカーへ恐怖を覚えた。
それからも細かな作戦を練り必要な物を決めていった。
「それにしてもコレ、よくここまで集めましたね」
「うん、結構頑張ったよ。前々から調査はしていたんだよ。敵を知り己を知るさすれば百戦危うからずってね。僕達(情報屋)は君達(顧客)に敵を知って貰うために情報とお金を扱う。覚えておきなよ、下手な事をすれば僕達(情報屋)に品として扱われるってね」
「はは…」
(笑えねぇ)
「さて、次は君達に己を知ってもらおうかな」
「?」
「必要な道具とかは後だとして、作戦は立てたから…残るは技術の方と立ち回りですよね?」
「その通り、君達には講師を用意しているんだ」
「さっきも言ってましたね」
「今からその講師の所へ行くけど今日って時間の方は大丈夫そうかな?」
三人が時間を見ると十八時ごろとなっていた。三人は時間がある事を確認してから頷き、チェッカーについて行くことにした。向かう場所は闘技場であった。
キャラクター紹介
主人公 谷塚香月 (たにづかかづき)
七瀬とは小学校からの付き合いで、少しオジサンチックなところがある。ゲームの腕はそこそこで、対人はあまり得意ではない。仲間内ではひねくれクソメガネと呼ばれていることもある。他のゲームなどでは陰湿サイコパスと呼ばれている七瀬とコンビを組むことが多い。
よく遊ぶゲームは、ダークソウルやロックマンなど
趣味は、自転車をいじること
好きなロボットは、シナンジュ・スタイン




