第2話 CHILDHOOD FRIEND
私が電話に出ると相手は「茉優、戦ったってどういう事なの?」と聞いてきた。そう、相手の声は幼馴染の皇 心菜だった。彼女の質問に私は「実は・・・」と話そうとしたら「詳しいことは後で聞くからとりあえず明日あたしの家に来て」と遮るように言い電話を切った。
翌日、私は言われた通り心菜の家に行った。インターフォンを押すと「待ってたよ、茉優。」と心菜に自室へと案内された。すると彼女は「いきなり本題に入るけど、茉優ってもしかしてスマホを配られた?」と彼女のものではないスマホを見せて聞いてきた。私はその問いに「配られたけど、もしかして心菜も・・・」と答え、聞き返した。
心菜は返された問いに「実はあたしも『ARCANA』の参加者なの。」と打ち明け「じゃあ手を組まない?」と協力することを私に持ち掛けた。私はこれに承諾して生き残る作戦を組もうとしたらメールが届いた。開くとそれは今日の試合の案内だった。昼は”刑死者”の刑部 美冬と”月”の月詠 駿哉、夜は”教皇”の皇 心菜と”隠者”の忍野 沙夜が対戦することになっている。それまでに作戦会議と行きたいところだが今回は対策を練るための参考になるような資料が無い。そのため、後に備えて私と心菜は昼の試合を観戦することにした。
~2日目・昼~
試合開始の通知が来たので観戦するため最初に私に配られたスマホで試合の様子を見る。刑部さんの方は強力な技で攻めており「ARCANA」で重要となる魅了ポイントを稼いでいるため順調かと思いきや数分後、何故か刑部さんのファントムがファントムダウンした。すなわち自滅だ。これで彼女の弱点が分かった。それは強力な技を出すときは代償として体力を消費することだ。私たちはこれを基に対刑部さん用の作戦を作り上げる。
一方、”月”の月詠さんはものすごい速さで攻撃を仕掛けている。これでは反撃しようにもできない。どうすれば月詠さんに勝てるか分からず思い悩んでいたその時、刑部さんが時が止まったかのように動かなくなった。すると、月詠さんは8方向に斬撃を入れると避ける間もなくダメージが入って2回目のファントムダウンを迎えた。おそらくあれは時を止める技、かなり厄介であると感じた私たちは勝ち目がないと悟った。
~2日目・夜 心菜視点~
あたしに配られたスマホに相手が近づいてきたことを知らせる通知が入った。あたしはこれに了承し、戦いの舞台へと移動した。
入り口を通ってたどり着いた場所は中世ヨーロッパ風の街で建物があるため相手を見つけるのは容易ではない。武器とファントムを出現させて周囲を警戒していると上から人の気配がした。すると、上から女が飛び降りてあたしに襲い掛かってきた。あたしが反撃するとそこには藁人形があった。そして、その女は3体に分身して攻撃を仕掛けてきた。この動きはまさしく忍者そのもの、素早くて追いつけそうにない。あたしはどうすれば勝てるのか分からず困惑している。
そんな最中、あたしは一つの策を思いついた。それは建物に隠れて中から攻撃するというものだ。それを実行するため近くに遭った宿屋らしき建物の2階に潜伏したが果たして上手くいくのだろうか・・・
五行塚です
第2話は短くなってしまいました。