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アルカナ・ファントム  作者: 五行塚 棗
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第1話 DEATH GAME

「姉さん、学校行ってくるね。そっちは今日も行かないんでしょ。」

「うん、校舎を見るだけで寒気がする。私はそれほど嫌だってこと、分かってるんでしょ、星那せいな。」

「そうだね。母さんも無理強いはしないといってたよ。それじゃ、姉さん。」


 私の朝はいつもこんな感じだ。

 私の名前は鴻上こうがみ 茉優まゆ。現在訳があって不登校中の中学2年生。ちなみに余談だが学力の方は学習塾に通っているから特に問題ない。だが、引きこもっていることで周りには余計な仕事を増やしているような気がして申し訳ないと思っている。

 そんな私の楽しみはスマホ用オンラインゲームをやる事。

 いつも通りスマホを開こうとしたら画面に「連続不審死 犯人の足取りは掴めず」と通知されていた。最近はこういう事件?が起こっているから気味が悪い。そう思いつつ壁に向かって横向きで寝転がりつつギルド戦やイベントを進めていると後ろから「鴻上 茉優様、あなたはこれを受け取る資格を得ました。こちらを向いてください。」と女の子の声が聞こえてきた。

 振り向くとそこには見知らぬ少女の姿があり「良かった。これをお受け取りください。あと、これはプライベートでは使わないでください」とカバーに死神が書かれたスマートフォンを私に渡し、「貴方が生き残ることを期待します。では最後にひとつ、私の名はフーラ、再び会うのはまだ先になるでしょう。」と自分の名を名乗り姿を消した


 それから一日、また一日と時間が経つものの何も起こらず一体何だったのかと疑問を覚えた矢先に渡されたスマートフォンにメールが届き開くと「参加者の皆さんへ これから皆さんは54日間にわたるデスゲーム『ARCANA(アルカナ)』に参加してもらいます ルールは簡単、いかに客を魅了する戦いを行いポイントを獲得できるかを競います それでは明日の対戦カードを送信いたします」と書かれていた。

 するとその直後に「1日目 昼・・・”魔術師”間宮まみや 綾瀬あやせ 対 ”塔”東城とうじょう 眞澄ますみ 夜・・・”死神”鴻上 茉優 対 ”節制”結城ゆうき けん」と書かれたメールが送信され、私は

(ちょっと何勝手なことを言ってんのよ)

(というかなんで私が死神なの訳分からないんだけど)

(戦わせるって正気!?絶対死ぬってこれ)と心の中で言い放った。


~1日目・昼~


 こうして始まりを告げたデスゲーム「ARCANA」は初戦を迎え、渡されたスマートフォンには試合の様子が写されていた。今戦っているのは魔女らしき人?を連れた男か女か分からない容姿で年齢はおそらく私と同じぐらいの”魔術師”の間宮さんと巨人を連れた屈強な男の”塔”の東城さんだ。

 現在の状況を確認すると現在は東城さんが有利に思える。何せあの巨人に投げられるたびに魔女は痛手を負ってるように見える。だが、巨人が魔女に近づこうとした時、魔女の方が間宮さんと共に魔法のようなものを放ったことで巨人は後方へと押し返された。その後もコンビでの反撃は続き追い詰め返したかのように思えた。だが、巨人が空高く飛び上がり落下と同時に衝撃で相手を動けなくした後に魔女を地面に叩きつけ、それから投げ技を浴びせたことで決着が付き、東城さんの勝利で一日目の昼は幕を下ろした


~1日目・夜~


 日が暮れ、夕食を終えたところでメールが届き、開くと「ルール説明 お互いが一定の範囲内に入ると通知が来るため『承諾』をタップすると試合が成立する また、試合は自分のファントムが3回ファントムダウンする、降参するのどちらかで負けとなる」と書かれていた

 何事もないことを祈りつつ過ごしていると突然通知が鳴った。画面には「対戦相手接近」と書かれていて選択肢が「承諾」しか存在しないため拒否権が無いことは分かった。仕方なく「承諾」をタップすると「入口が出現しました」と画面に表示されて背後を確認すると入口らしきものがあったため覚悟を決めて入場した。

 入り口をくぐるとそこは廃ビルの中だった。だが、周囲を見渡しても相手の姿は見えない。おそらく別のフロアにいるだろうから私はこのままやり過ごすことを祈っている。スマートフォンに剣と人が画面に映り「タップしてください」と出た。剣の方をタップすると足元に大鎌が出現し人の方をタップすると「初めまして今回のマスター、この私と一緒に戦い抜きましょう。」と聞こえ、黒いフードを被ったスタイルのいい女性が現れた。おそらくこの大鎌が武器で女性がファントムとやらだろうと私は確信した。

 そんな中ビルの部屋のうちの一つに籠城していると足音が聞こえてきた。そしてドアを開ける音が聞こえ、人の気配がした。すなわち見つかってしまったのだ。

 男は私を見るなり「見つけたぞ、今日の対戦相手(”死神”の鴻上)。さあ、武器を持て。勝負開始だ。」と私に戦うよう促した。

 こうして私と結城さんは武器を交えることになった。私の攻撃は最初の段階ではそれほど効かなかったようだが結城さんの斧による攻撃を受けたりこっちが攻撃したりする度に威力が上がっていく。そんな中私はある「異変」に気付いた。それは刃が赤く光っていることだ。すると背後のフード女が「赤く光ったということは一撃必殺のチャンス、マスター、『死神の地割れ』をお使いください、そうすれば相手は一発でファントムダウンします。」とアドバイスした。

 私は勘を頼りに大鎌を上から鍬のごとく振り下ろし技を発動させた。すると相手のファントムは一発で倒されたが少し時間が経って復活した。その後もお互いに攻撃を繰り返し鎌の刃が赤く光る度に「死神の地割れ」でダウンさせるといった流れで戦った結果2度目の復活の時に結城さんは「降参だ、その技があるんじゃこっちには勝ち目がないと思うしな。」と呆気なく勝利を私に譲った。


~対戦終了後~


 出口をくぐって出た先は私の部屋だった。入浴するため部屋を出ようとしたら元々所有していたスマホが鳴った。着信元の名前を見た私はそのまま電話に出たのであった・・・

 初めまして、五行塚と申します。

 1話が短いとは思いますが何卒ご了承ください。

 また、本作は隔週日曜日夜10時の更新です

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