部活について
今日の六時間の授業が終わり、現在は放課後。特にすることもないため、すぐに帰ろうとした。
「今日はどこ見に行く?」
が、優也に話しかけられた。話しかけられたはいいものの、なんのことだかさっぱりわからない。
「なんのこと?」
「いや、部活のことよ。明日までは部活動見学期間で、放課後見に行って、その日ごとの感想書きまいじゃん」
そうだった。全く覚えてなかったけど、思い出した。新入生は明日まで部活動の見学に行き、感想を書かなくてはならないのだ。
今まで感想を書いてきた紙にも、初日から明日までの見学した後の感想を書くスペースがとってある。ちなみに、同じ部活動の複数回の見学もオーケーだ(優也と一緒に行っていたので、今まで見学してきたところは同じ)。
今まで見学してきたものに軽く目を通すと、
弓道部、バスケ部、食物部、文芸部、バドミントン部
等があった。
バス通学で遠くから来ていて、バスの時間が危ない人や、すでに部活に入った人は、この紙の記入はしなくてもよいそうだ。
「そういえば、優也は部活には入るの?」
「入ろうとは思ってる」
「どこの部活に入ろうっち考えてる?」
「今のところは弓道かな」
意外だった。中学にもなかった部活で、興味を示すとは思えなかった。いや、だからこそ逆に興味をひいたのかもしれないのか。まぁ、見学した部活ではバスケ部以外は全て母校の小・中学校にはない部活動だったが。
優也が弓道部に入ると考えているということは、優也は弓道部の見学に行きたいはず。とりあえずわしも今日は弓道部に見学に行ってみるか?
いや、確かあっちの世界に行く前には確かバドミントンに興味を持っていた記憶がある。
…今日はバドミントン部に見学に行くか。
「それじゃ、わしはバドミントンの見学に行ってこようかな。そっちは弓道でしょ?」
「まぁや」
「それじゃ、また明日な」
「おう、バイバイ」
「バイバーイ」
しかし、優也が部活に入るのなら、わしもなにか部活に入ろうか。入るとしたら、運動系と文化系のどっちにするか。
…まぁ、焦らずにゆっくりと考えておこう。どうせ明日もあるのだから。
そして、わしはバドミントン部の見学に行った。