表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

魔法の便利さ





 今日は5月1日、火曜日。朝に友人と挨拶して戻ってきたことを実感したこと以外、特に感じることもないままに、今はもう五時間目を迎えている。


 いや、だって勉強が好きではないわしにとっては、授業はめんどくさいとしか思わない。


 好きな授業もないわけではないが、限りなく少ないのに対し、嫌いな授業はなぜかこんなにも多くある。


 全く、やっかいなことこのうえないものだ。


 わしの席は、教室の窓際の後ろから2番目。結構な端っこ辺りの席である。


 少し周りを見てみると、約1/3の人数が眠っている。起きている人のなかにも、いかにも寝落ちまであと一歩というくらいうとうとしている人が2、3人はいる。


 こんなにも眠気を感じるなか、真面目に授業を受けている真面目さん。ご苦労様です。


 自分の後ろを軽く見渡すように少し首を動かすと、わしの後ろ、斜め後ろ、さらにその隣の人も眠っていた。自分の隣の人も眠っていることを確認してから、自分の机の引き出しの中で軽く魔法使ってみる。





「アイテムボックス」




 小さい声でそう呟くと、引き出しの中で、紫色の渦巻きのようなものが発生した。


 この『アイテムボックス』という魔法は、どの属性であったとしても関係なしに使える魔法の1つである。その効果は名前の通り、持っているアイテムを収納しておくことができる。


他にも、物を収納できる魔法はある。その中の1つに『異空間収納』という魔法がある。


 物を収納できるという点は同じ。違うところは、中での時間が止まっているか否か、という点である。


 『アイテムボックス』は、中での時間が止まっているようなのである。この魔法があれば、肉や魚等の生物を買ったあと、そのまま家に置きにいかずとも遊びに行ける便利な魔法である。


 『異空間収納』は、異空間とやらにも時間があるのかは知らないが、中での時間は止まらないのだ。この魔法を使うくらいなら、みんな『アイテムボックス』を使うだろうと思うかもしれないが、この魔法にも便利なところはある。が、それはまた別の機会に。


 そして、この便利な魔法の便利なところは、

 1つ目に、要領が決まっていないため、いくつでも入れられるということ。

 2つ目に、入れたものを思い浮かべるだけで、手のひらに握られるような形ですぐ取り出せることである。


 逆に、便利ではない点は、何を入れたかを覚えていないと、何も取り出せないことである。


 わしはその欠点をどうにかするために、まず両方ともに何を入れたかを記すノートを入れたのだ。


 物を取り出す際、まずノートを取り出す。そして、そのノートを見て確認をしてから、必要なものを取り出すのだ。


 この魔法を使う度に、最初にこの魔法を使うとき、入れたら取り出せなくなるのでは?と疑って、無くなっても困らないようなものを入れては出してとやっていたことを思い出す。


 そして、引き出しの中で開いた『アイテムボックス』から、一口サイズのアイスを取り出して、先生に見つからないようにして食べる。


 この一口サイズのアイスは、家で自分で作っておいたものだ。レシピ本を読みながら作っていたものだが、思いのほかうまくいったので、いつでも食べられるように『アイテムボックス』にいれておいたのだ。


 やっぱり魔法って便利じゃな!





 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ