表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

習作

色々

作者: ねこ
掲載日:2017/03/31

「どうだった?」と送る。

「決まったよ」と返ってきた。


(…ばーか)心のなかでそう呟く。連絡は送らない。

「ほんとバカ」

 何年の付き合いだと思ってるのだろう。そんな嘘、すぐわかる。


 あの人は昔から見栄っ張りだった。小さな頃、鉄門に手を挟んでしまったことがあった。挟んだ指の爪が紫色に変わっていて、絶対痛かったはずなのに、駆け寄った私に大丈夫って笑った。


 真っ赤なマフラーをしたあの人を見つけた。暗い色の多い雑踏の中で、赤いマフラーは少し目立つ。

 何となく、あの人を観察をする。疲れた顔をしてる。うっすら隈もあるかな。やっぱりダメだったのだろう。ちょっと気持ちが引っ張られる。


「今日は焼肉いくよ!」

 ブルーになりかけた気持ちを振り払うように、大きな声をかけ腕を引く。たぶん私に直前まで気がつかなかったのだろう。吃驚して、目を白黒させながらも引かれるまま歩き出す。


 ふと「内定祝い?」ときかれる。

 もちろん「100回落ちましておめでとう記念!」と返す。

 何でわかったのだろう、というか数えてたの?と言いたいみたい。顔に書いてある。


 私は夢を持ってない。だから分からない。心は応援したいと思ってる。夢を追うあの人をずっと見てきたから。

 応援の言葉、励ましの言葉をかけたくなる。でも、もう充分頑張ってる。励んでる。

 私があげるのは安らか日常と休息。そう決めてる。


「罰として焼肉おごり」と言ってみた。苦笑と共に「仕方ないな」と言葉が返ってきた。




 食べ過ぎて値段がとんでも無いことになった。真っ青な顔で財布を確認する姿を見て、ちょっとだけ反省した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ