それ、作ってみよう 〜ギルガメッシュ叙事詩のパン〜
メソポタミア文明。
チグリス、ユーフラテス川。楔形文字。ハンムラビ法典。
目が大きいグレイのような人物像。
皆さん、歴史の授業で記憶にあると思います。
今回は、その時代に食べられていたパンとスイーツを作ってみようではありませんか。
中世からさらに遡り、古代の味を体感してみましょう。
シュメール人のパン。
材料は、小麦粉、セモリナ粉、大麦の粉。
これは、小麦粉しか手に入りませんな。全て小麦粉にいたしましょう。
これにビールを投入。塩、砂糖、好みで少々。
適度な硬さになるまで、こねて、オーブンで焼きます。
シュメール人のスイーツ。
材料はドライフルーツ(デーツ、レーズン、干しイチジク、その他お好きなもの)ナッツ類をみじん切りにしたもの。
ニンニクのみじん切り。
小麦粉、ビール、牛乳、好みで蜂蜜を少々。
混ぜて、フライパンで薄くガレットのように焼きます。
この時代には既にビールが存在し、人々は水代わりにしていたのですね。
ところで、ドイツに行ったらこの話をしてはいけません。
ドイツの地に居た時、私はこの禁句を言ってしまいました。
『ビールって、ローマ時代からあったんですよね』
恐ろしい目に遭いました。(また、ドイツの滞在記にて報告させていただきます。)
ドイツでは、ビールは何がなんでもドイツ発祥です。
ビールはドイツ発祥!
ローマ時代や、メソポタミア文明で飲まれていたのは、アレはビールではないのです!
さて、完成したお味の方はいかがなものか。
パンの方は、どしっと岩のように硬いです。焼き皿に張りついちゃってどうにもこうにも取れません。クッキングシートひくべきでしたね。
しょうがないので上からちぎって食べます。見た目、スコーンとナンのあいのこのような感じです。
ふーん、こんなものか。
例えるならば、ビール風味の乾パン、です。
ちなみに、投入したビールが「青鬼」(その時家にあった)だったもので、苦さは普通のビールよりもあったと思います。古代にはこんなビール無かったと思うので、その時点で再現出来ていないかもしれませんが許してください。
※青鬼……飲み慣れると他のビールが物足りなくなってしまう悪魔のビール。
しかし、このパン、なんとなく次から次へとちぎってしまうんですよね。私の父と母も、ふーん、と言いながら口にぽんぽん運ぶ様子で、なんと言いますかクセになる感じです。
結論。
割と食指が動いて止まらないので、古代のパンはウマイのでしょう。
『エンキドゥ、エンキドゥ、パンをお食べ。ビールをお飲み。それが人間です』
気分はギルガメッシュ叙事詩にて野人エンキドゥに教授した遊女の気分です。(そういう台詞があることだけは知ってる)
ところでギルガメッシュ叙事詩、私は拝読したことがないのですが、なんと世界最古のBL小説だそうではないですか。(バビロニア人改稿バージョン)いつか読んでみたいです。
さて、もうひとつのスイーツは?
こちらのレシピ本にも書いてあったのですが、ドライフルーツとニンニクの取り合わせが合います。
美味しい! ニンニク無しだとスイーツですけれども、ニンニクが入ると一気にツマミに早変わり。居酒屋さんで出したら良いのではないでしょうか。
これは父も母も気に入り、すぐになくなってしまいます。
ほのかな甘みがよろしいですね。足りない方はハチミツをかけて。ワインでも、ビールでも。
こちらは気に入ってもう3回、ツマミ、おやつとしてつくりました。手抜きバージョンではフルーツグラノーラを少し砕いて小麦粉、ニンニクのみじん切り、牛乳、ビールを入れて。
ビールと共に嗜みながら私は思いました。
ああ、私、自宅で自家製キムチを作っていたときにも『韓国のおばちゃんの気持ちが分かった気がするわ』と思ったけれど。
今回、シュメール人の気持ちが分かった気がするわ。




