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第捌(はち)話 おばあちゃん(シバ) 転)始まり

「おーい、今帰ったぞー」


「あっ、お帰りなさい、おばあちゃん」


「誰がおばあちゃんだ! 私がおばあちゃんならお前はじじいだ!」


「……いや〜、無理があると思いますよ?」


「何がだ! どうやったら私がおばあちゃんに見えるってんだ!」


 ここでカムさんの意見


「まあ見た目だけは、な。…いつから生きているんだかわーー」


 カムさんが吹き飛んだ


「カムさーん!!」


何故だ?

いや、やった人は分かっている、ですが……酷い。事実を言おうとしただけなのに……


「で、他に死にたいやつはいるか?」


「いえ! いません!! 師匠(せんせい)!」


「うん、(よろ)しい。では、


ん?」 


 そこで(よう)やく寝ているカオルさんに気が付きました。


「そこの女は誰だ?

う〜ん……お前の嫁か〜? 私のいない間に嫁をもらっていたとは。


いや〜、めでたい!

もう皆で祝ったのか?まだなら盛大にいこう、盛大に、なぁ〜!!」


「いやいや、違いますから。カオルさんはニホンという国から来た方で、私の嫁ではありません」


 おばあちゃんの動きが止まった。


「……に……ほ……ん……」


「はい。ニ、ホ、ン、です」


「……どうやってここに……?」


「魔物に襲われて、この村にたどり着いたそうです」


「…そうか・・・」


 急に、しおらしくなってしまいました。


珍しいですねー、実験が失敗しても、落ち込む事はほとんど無いのですが。


「おばあちゃん、どうしました?」


「……………何でもない。気にするな」


 いやはや、聞かれたく無い事なんでしょう。無理には聞けませんね。


?……そういえば……、カムさんは?


「痛ってーなー。何するんだよー、しば婆」


 おお! 生きてましたね。

さすがカムさん。村一番の盾使いの名は伊達では無いですね〜。


あの速さを見切ったという事なのでしょう。ほぼ怪我が無いようです。ですが、気絶はしてたんですね。


「はぁあ!あぁ!!」


「……なんでもありません……」


 完全に脅しですね。

威嚇してますが、あなたは獣ですか?


まっ、カムさんの態度はしょうが無いですよね。誰も頭が上がらないですし、対抗出来るのが今は村長位ですからね〜。


「……ところで、しば婆。村長はどこだ?


カオル嬢ちゃんの事を相談したいと思ってたんだが」


「あー、あの老いぼれなら店の裏で荷物の整理をしてるぞ。


私だけ先に馬鹿弟子の様子を見に来たんだよ。死んでるかも知れないからね」


 ええぇー


「ああ、その点は大丈夫だ。餓死する事は無い。


毎日、誰かが起こしに来てるし、飯も自分で作らせてるからな」



 カムさんまで……


いつものやり取りですけどね。



「そうか、

俺は村長を手伝ってくるから、こいつの事は、しば婆に任せる。ついでにカオル嬢ちゃんも見ていてくれ。

じゃあ、行ってくる」


「ああ任せろ」


 カムさんは村長を手伝いに行ってしまいました。







「おい馬鹿」


「はい、何ですか〜?師匠」


「カオルといったな、その女」


「はい」


「日本のこと以外に何か言ってなかったか?」


「え〜と、確かー、気付いたら森の中にいたそうです」


「やはり、か」


 ???何です?

何か知ってるの?


「お前、私の過去は知ってるよな」


「はい。滅んでしまった国の生き残りですよね〜。[無の国]でしたっけ?」


「表向きは、だがな」


「へー」


 どうでもいい事ですね〜。おばあちゃんはおばあちゃんですから。どこの人だろうと関係ありませんね。


「……はぁ〜、お前は相変わらずだな。もう少し興味を持てよ」


「えぇー。

聞いて欲しいんですか?、ですか?


良いでしょう!

聞いてあげましょう!


ただし、短めでお願いします」




「後で組み手」


「え?」


「今日は倒れるまでやるからな」


「え?えっ?」


「さて、話すか。


私は、


[日本]から来た」







「ふーん。 なら〜、カオルさんと一緒ですね」


「驚かないんだな」


「何に?」


「…ふふふ。あははははは。…ふっふふ」


 おばあちゃんが急に笑い出しました。



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