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第拾漆(じゅうなな)話 【栽培室】

※畑


はあ、今日もやりますか。面倒ですが。


私はいつもどおり畑に行き、いつもどおりの作業を行いました。


まあ、作業といっても自分の技能で作った【栽培室】の中に入って【成長促進】を使うだけなのですが。


すぐに終わります。栽培室の中の植物は全て栽培室本体に繋がっていますので成長促進は一回ですみます。


それでも栽培している植物の種類だけ同じ作業を行わなければいけません。


そんな時に活躍する人達がいます。


それは、


「ウシー!」

「突っ込めー!」

「ウシ遊ぼ〜」


いや〜、今日も元気ですね〜。

村長の孫、カムさんの子供、そして、お腹に頭突きをしているのが突撃小僧。

それ、毎回行っていますが、全然痛くありませんので無駄ですよ?


「今日の水をあげる当番はあなた達ですか。

いつもどおりうるさいですね」


「「「遊ぼ!!」」」


「水をあげるのが先です。それに私は今日、予定があるので遊べません」


「えー!」

「遊ぼうよー」


「無理です。人を待たせていますので」


「誰〜? おじいちゃん?」


「父ちゃんか?」


「突撃ー!」


 約一名、既に遊んでいる方がいますが、無視します。


「村長の大切なお客様です。カムさんも知っていますので詳しい話しはカムさんに聞いてください」


 わざわざ説明するほどではないですからね〜。カムさんに任せます。


「じゃあウシの変なのでお家作って。お家で遊ぶから」


 へー。変なのね〜。


まあ、変ですが。


私の栽培室は薄い膜があるだけで他は何もありません。


便利なんですけどね〜。

栽培室の中は植物の育ちやすい環境に出来ますので。


見た目は薄い膜が地面から垂直に伸びていて、だいたい中の植物の倍位の高さに天井があります。


それが植物の種類ごとに畑の全てを囲っているのです。



「大きさはね、わたしの身長より少し大きいのとね、普通のお家位の」


「二つも作るのですか?」


「うん!」

「作れー!」


「では、作業を終わらせた後に作りますので、早く次の場所に運んでください」


「えー、またー」

「重いんだよ、自分で歩け!」


「いいではないですか。カムさんに作ってもらった荷車があるのですし、水と一緒にお願いします」


 子供達にも水やりが出来るようにカムさんが作った荷車は水の他に人を一人運ぶ位は余裕で出来ます。まあ、重くはなりますが。


「行くぞ! 構え! 槍隊、突撃ー!」


 頭突きが効かないとわかって武器を持ってきましたか。


ですが、


私には効きませんので、やはり無駄です。


「はいはい、その勢いで荷車を引いてくださいね」


「もう!」

「早くやろうぜ。どうせ動かねーし」

「……そうだね」


 カムさんの子供は聞き分けが良くて助かります。とても楽です。


………(作業中)………


結構早く終わりました。移動して同じ事を繰り返すだけですからね。


「終わった。作って」


「家を作るのはいいのですが、入り口はどうします? 戸は付けますか?」


「つける!」


「分かりました」


 四角い栽培室を組み合わせて戸がついた家を作りました。


後は少し土を混ぜて色を付けます。ぶつからないように。


「出来ました」


「ありがとー」

「やるな」

「壊せー! 突撃だー!」


 私の栽培室はその位では壊れません。きちんとした槍で突かれたら壊れますがね。


「では私はこれで」

「じゃあねー」

「またな」

「くっ! 今日も勝てなかったか」


 ただの木の枝では私には勝てませんよ?。




 はあ。


畑での作業も終わりましたし、カオルさんのところに戻りますか。



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