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はじまり、はじまり。
ある村に、とても面倒くさがりで寝るのが大好きな、怠け者の青年がおりましたとさ。
その青年は朝は起こされるまで寝て、ご飯は作るのが面倒だと言い、食べない。
そんな、一言目には『面倒』という言葉が出てくる位のとても面倒くさがりな青年がおりました。
しかしその青年は子供の頃、『とても頭の良い子供』と村では有名でした。
ですが、頭が良いからといって周りの人達に褒められる事はありませんでした。
その理由は、近所の子供が元気いっぱいに遊んでいるのに、農作物の栽培や狩りの仕方など、実用的なものばかりをやっていたので、『頭は大丈夫か』と心配されたり、『本当に子供なのか』と疑われたりしていたからです。
そんな子供がなぜ面倒くさがりで怠け者の青年になってしまったのか。
それは後程、ご説明いたします。
それでは物語の
はじまり、はじまり。